パウエルFRB議長講演(2019年11月25日ロードアイランド商工会議所での講演)
日本時間の今朝、FRB議長が講演しました。以下は講演時の一部抜粋です。
FRB議長講演内容
(金融政策と2019年の経済)
・年初の経済は力強いものを示していた。しかし経済は世界経済鈍化や貿易の進展具合に関して幾つかのリスクに直面していた。
・他国の経済鈍化が必ずしもアメリカに同じ弱さを伝播するものではないが、輸出を傷つけ、その弱さが拡大するリスクがあった。同時に、世界と関係している企業は貿易交渉の不確実性により彼らの投資決定に影響した。
・加えて、今年のインフレ圧力は予想以上に弱かった。昨年末に2%のインフレ目標に近づいた後、現在まで2%以下で推移している。
・8月に労働統計局が2019年3月末時点での12ヶ月間の新規雇用の数値改訂を予告した。これによると、雇用は月17万人の伸びで、21万人よりは低くなった。これは我々見通しを劇的に変えるものではなかったが、経済は我々が想定しているよりはモメンタムが下がったことを指摘していた。
・米国経済を強く保ち、現行あるリスクに対して保険を用意するために我々は金融政策を前向きに緩和した。7月〜10月にFFレートを0.75%下げた。我々は利下げが消費や企業センチメント、あるいは金利敏感部門の支出拡大の下支えに役立っていると信じている。
我々のゆっくりとした成長見通しと一貫して経済が伸びている…強い労働市場、インフレ率が目標としている2%に近付いてる…という情報と同様に、金融政策の現状スタンスが適切に維持していると見ている。先を見れば、我々は見通しに関連したその他の情報を含め、自身の行った金融政策の効果を注視していくことになるだろう。それによりFFレートの目標レンジの適切な道のりを査定していくことである。もちろん、見通しの再評価を引き起こす動きが現れたら、我々はそれに準じて対応するだろう。政策はあらかじめ設定されたコースにはないからである。
(結論)
今、金融政策は強い労働市場を支え、インフレ率を目標の2%前後にしっかり戻していくのに無理のない状態にある。もし見通しが実質的に変わる様なら、政策も同様に変わるだろう。長く続いた景気拡大のこの時点において、私はグラスの半分以上はすでに満たされているとみている。適切な金融政策で、我々は将来それを満たすことができるだろう。ここまで収益を積み上げ、全てのアメリカ人に対してより幅広く恩恵が広がるだろう。
(以上)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
(上記出所:FRB HP)
ドル円相場はFRB議長講演で当面の追加利下げ期待が薄れたことや米中閣僚の貿易交渉継続に合意したとの材料で109円21銭まで上伸しました。但し、貿易交渉も何ら進展ない内容に現在は109円絡みで推移しています。
8月下旬底値からのドル高ウェッジは現在108円45銭〜109円90銭にあります。このレンジ内の109円30銭〜50銭ゾーンには何度か止められている横抵抗線があるので、レンジの上限を狙うにはまずここをクリアする必要があります。一方で、108円40銭未満での終値になると、8月末以降からのドル高が終了し、ドルの底値模索になります。
(2019年11月26日14:10、1ドル=109円01銭、1ユーロ=1.1014ドル)
オーダー/ポジション状況
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