ドル円、109円乗せも伸び悩む展開。米感謝祭前の米中協議実現は困難か
海外時間の為替概況
26日(火)の外国為替市場でドル円は一進一退。@新華社通信による「劉鶴中国副首相はライトハイザー米通商代表部代表やムニューシン米財務長官と電話会談を実施」との報道を背景に一時109.19まで上昇するも、戻り売り(利食い売り)に押されて反落に転じると、欧州勢参入後には108.88まで下げ幅を広げる展開に。
もっとも、108円台後半では押し目買い意欲も根強く、下げ渋ると、その後は、米・10月新築住宅販売件数(結果73.3万件、予想70.9万件)の良好な結果や、トランプ米大統領による「中国の習近平国家主席と話し合い、貿易合意を模索している」との発言、米主要株価指数の上昇(NYダウは史上最高値更新)が支援材料となり、米国時間午後にかけて再び上昇。稿執筆時点(日本時間4時00分現在)では109.05近辺で推移しております。
一方、ユーロドル相場は終始方向感に欠ける展開(高値1.1025、安値1.1008 ※1日の値幅は僅か17pips)。新規材料に乏しい中、方向感を見出し辛い時間帯が続いております。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は、200日移動平均線及び心理的節目109円を突破しました(一時108円台後半へ下落するも再度109円台に戻す展開)。テクニカル的に見て「底堅さ」が意識されるチャート形状となっております。しかし、ファンダメンタルズ的に見ると、@日米金融政策格差(利下げに踏み切ったFOMCと、追加緩和の見送りを決めた日銀)や、Aトランプ米大統領の弾劾リスク(米下院はロシア疑惑捜査への虚偽報告を巡りトランプ米大統領の調査を開始)、B米経済の先行き不透明感(昨日は米新築住宅販売件数が市場予想を上回るも、リッチモンド連銀製造業指数や、CB消費者信頼感指数は市場予想を下回る冴えない結果に)、C米中協議を巡る先行き不安(含むトランプ米大統領による香港人権法案への署名)など、ドル安・円高に繋がり易い材料が多い状況です。
以上の通り、ドル円はテクニカル的に「持ち直し」の兆しが見られるものの、ファンダメンタルズ的な「弱さ」が続伸を阻む展開が予想されます。中国政府が求める米感謝祭(11/28)前の北京での米中閣僚級会談の実施は難しいと見られ、本日は米中のネガティブ報道に注意が必要です(トランプ米大統領や習近平国家主席の発言を通じて楽観的な見方が広がっているだけに、ネガティブ報道が発せられた際の急反落リスクに要注意)。米中を巡るヘッドラインや米経済指標(耐久財受注や、PCEデフレータ、ベージュブックなど)の結果を睨みながらも、本日はドル円が「伸び悩む」展開をメインシナリオとして予想いたします(109円台を維持できず下落に転じる展開)。
本日の予想レンジ:108.60ー109.30
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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