ドル円 株安で下値を広げた後、劉鶴副首相の楽観発言で反発
21日午前の東京市場でドル円は108円台前半での取引。リスク選好の後退に昨晩欧米の株価指数がほぼ総崩れとなった流れを受け、本日朝方から日経平均株価も下落。9時台に23,000円を割り込み、一時400円超下落すると、ドル円も朝方の108.50レベルから108.28まで下値を広げる動きとなりました。
しかし、昨晩北京で開催された夕食会で中国の劉鶴副首相が米中貿易交渉の第一段階の合意に関し「慎重ながら楽観的」と述べたことが伝わると反発。東京時間正午現在は108.45-50レベルでの取引です。
日経平均株価も劉鶴発言で切り返しましたが、戻りは鈍く午前の取引は前日比276円安の22,872.03円で終了しています。
未明には先月のFOMC議事要旨が公表され、一部の参加者が利下げに反対し、複数の参加者が短期の追加利下げを声明文で否定すべきだとしたことが明らかとなりましたが、大きなサプライズは無く、為替市場への影響は限定的でした。
市場は米中貿易交渉の不透明感に加え米下院の可決した香港人権法案に署名する見通しとなったことでリスク選好が大きく後退しています。
テクニカルにはドル円は中期上昇トレンドから離れて、上値、下値を切り下げる動きとなっています。一目均衡表の「雲」上限107.79あたりまでサポートらしいサポートは見当たりませんが、米中交渉をにらんで一進一退の商状で一気に下げていく雰囲気でもありません。当面は108.00-109.50のレンジ相場となった可能性が高いものと考えますが、11/1安値107.89を割り込むような場合には下げが加速する可能性があり注意が必要です。
ドル円日足
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