<< 東京市場の動き >>
週明け18日の東京市場は、レンジ取引。108円後半の一進一退、20ポイント程度の値幅で動意の乏しい展開だった。
週末に、「米中閣僚級が通商合意署名向け電話協議を実施」したことが明らかになったうえ、米誌が「米国のボルトン前大統領補佐官が7月に来日した際、日本に4倍増の米軍駐留経費負担を要求」などと報じ、物議を醸すなか週明けの為替市場がオープンした。
ただ、週末ニュースの影響は限定で、ドル/円は前週末のNYクローズと大差ない108.75円レベルで寄り付いたのち、レンジ取引。株価の動きなどをにらんだ展開となったものの、新規材料に欠けたこともあり、売買はいまひとつ盛り上がらなかった。108.65-85円といった20ポイント程度の一進一退をたどると、16時時点では108.80-85円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「中国情勢」と「ウクライナ疑惑」について。
前者は、米中通商問題については先で指摘した電話協議が伝えられるなか、エスパー米国防長官が、東南アジア諸国連合(ASEAN)との国防相会議で、「中国による南シナ海の軍事拠点化を強く非難」したことが明らかになっている。貿易とは別のところで、両国の対立構図が改めて示された格好だ。そうしたなか、香港でデモ隊が占拠していた九竜地区の「香港理工大に警官隊が突入」、「警察側は実弾発射を警告」といった報道も相次いでいる。
それに対して後者は、13日に続いて15日にも「トランプ氏弾劾調査における公聴会」が実施されたが、そのさなかトランプ氏はツイッターで証言中のヨバノビッチ前駐ウクライナ大使を個人攻撃。下院情報特別委員会のシフ委員長(民主党)が「リアルタイムの証人威迫だ」と主張するなど、ちょっとした騒動となった。なお、一連の状況を踏まえたうえで米CBSはペロシ下院議長が「大統領がやったことは、辞任に追い込まれたニクソン大統領よりもはるかに悪質」と語り、辞任するのが相当だとの認識を示したと報じている。
<< 欧米市場の見通し >>
今月は1日に107.89円のドル安値を示現したのち、7日に直近のドル高値109.49円を記録したが、以降は結局レンジ取引にとどまっている。つまり、107.89-109.49円という1.6円ほどのボックス圏での推移であり、明確な方向性は乏しい状況だ。「米中通商問題」などの材料を勘案するとリスクはドル安方向にバイアスがかかっても不思議はないものの、NYダウが連日のように史上最高値を更新していることがドルの強烈な支援要因に。結局、板挟みとなったドル/円は109円挟みで揉み合いとの見方も少なくない。
材料的に見た場合、「米貿易問題」、「米金融政策」、「ウクライナ疑惑」、「トルコ・シリア情勢」のほか「北朝鮮情勢」や「英国情勢」、「イラン情勢」など注目すべき要因は目白押し。そのいずれも警戒を要するが、とくにとなると「米中情勢」と「ウクライナ疑惑」の行方が気掛かり。前者は先でも取り上げた「香港情勢」や、新たな内部文書が見つかったとされる「ウイグル族弾圧」に関する話などのほか、「通商合意」についても好悪の情報が錯綜し判断が難しい。たとえば、先週末に実施された「米中閣僚級が電話協議」についても、中国側は「双方の核心的な関心事について建設的に議論した」とコメントしている反面、米国サイドからはこれといった発言も得られていないことを不審がる声も聴かれていた。
テクニカルに見た場合、月初めから見た場合前記した1.6円レンジをたどっているほか、もう少し期間を狭めれば108.24-109.49円というレンジになる。
ともかく、足もとは方向性の乏しい状況にあることで間違いないだけに、まずは108.24-109.49円の小レンジ、そして1.6円という月初からのレンジをめぐる攻防に注意を払いたい。
一方、本日は11月のNAHB住宅市場指数という米経済指標の発表が予定されている。ここ最近発表される米指標は総じてマチマチながら、予想を下回るモノも決して少なくない。実際、先週末に発表された10月の小売売上高や鉱工業生産、設備稼働率などは予想を下回っていた。本日も発表される米経済指標の内容には要注意だ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.40-109.30円。ドル高・円安方向は、109円前後に位置する移動平均の200日線が最初の抵抗。超えれば、前回高値109.49円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、足もと回復している移動平均の25日線(108.75円前後)の攻防にまずは注視。割り込めば108.24円の直近安値が意識されそうだ。
ドル/円日足
オーダー/ポジション状況
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