トルコリラ円レポート月曜版
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、レンジは広がっても横方向の動きを考え「18.65レベルをサポートに19.10レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が18.78レベル、高値が18.98レベルと、レンジがわずか20銭と予想以上に狭い値幅で横方向の動きを見せた一週間となりました。
先週のトルコリラ円は、トランプ・エルドアン大統領による首脳会談が13日にホワイトハウスで行われることもあって週前半は様子見となっていましたが、首脳会談の内容は共同声明においてシリア問題、ミサイル問題等、有益な会談を行ったという程度の内容で好材料にも悪材料にもならず、結局週末まで動かないままで終わった週となりました。
またエルドアン大統領は帰国後の16日に社会保障センターのオープニングセレモニーで講演し、その中で中銀の政策金利にも触れ現在の13.5%の金利が更に低下するという趣旨の発言をしました。週末の発言で週明け早朝の動きも気になりましたが、まったく影響はなく更に値幅を狭める動きとなっています。すでにトルコのインフレ率はかなり下がってきていますので、ペースは落ちても現在の水準から更なる利下げが行われてもおかしなことはないというのが市場参加者のコンセンサスになっているかと思います。
今週は材料的にはいくつかの経済指標の発表はありますが、最近のもみあいを変えるような材料とはならないでしょうし、シリア問題をはじめ対外的な面でも状況は落ち着いていますので、いますぐ動きが出てくることもないため、なかなか動きにくいところです。
今週は目立った材料もありませんので、史上最高値を続けるNYダウに対して、トルコの株式市場はどうなのかを見てみることにします。以下のチャートはイスタンブールの主要株価指数であるボルサ・イスタンブール100種の日足チャートです。NYダウと比較するのも酷なので、日経平均株価と比較してみます。上段がボルサ、下段が日経平均となります
ボルサ・イスタンブール100種の日足チャート
(上段がボルサ、下段が日経平均)
こうして見ると、上下の動きがボルサの方が大きいこと、今年前半のトルコリラ安局面では下げていること等、納得できる動きですが、5月の年初来安値以降の動きは上下しながらも上昇していること、また直近では年初来高値を上抜ける動きを見せていることなど、世界的な株価上昇傾向もあるとはいえ、トルコの株式市場の動きを見ていると、最近の利下げの動きなど国内の景気回復を織り込んでいる動きをしていると考えられます。どこの国でも同じですが、為替だけでなく金利(債券)や株式市場も見て判断することは重要です。
いつも通り、4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。
4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)
チャートを見ていると、為替は動いていないことがよくわかります。チャートの左端から見ているだけでも毎週そのレンジを狭めてきていることがわかりますが、株価の上昇とは異なり、トルコリラ円は3週間前に目先の高値をつけているチャートです。ただ、現状は材料的にも株価チャートを見ても積極的に売る材料もありませんので、そうなると先週、先々週とここ2週間のレンジの中で引き続き横方向のもみあいを続けやすいと言えそうです。
今週はもみあいとは言ってもさすがに先週の値幅は狭すぎると思いますので、18.75レベルをサポーとに、19.10レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。
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