香港含めた中国情勢注意、リスクはドル安か(11/15夕)

15日の東京市場は、ドルが小じっかり。値幅そのものは決して大きくなかったが、「寄り付き安・大引け高」の様相で、ドルの強さが目についた。

香港含めた中国情勢注意、リスクはドル安か(11/15夕)

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15日の東京市場は、ドルが小じっかり。値幅そのものは決して大きくなかったが、「寄り付き安・大引け高」の様相で、ドルの強さが目についた。

ドル/円は寄り付いた108.35円レベルを日中安値にじり高推移。週末ゴトー日で仲値不足観測が取り沙汰されていたほか、日経平均株価の堅調推移、報じられたクドロー発言が好感されたことを材料にリスクオンの動きが優勢だった。一時108.60-65円まで値を上げている。しかし、108円後半からはドルの上値も重く、終盤にかけては逆にやや上げ渋りの感も。16時時点では108.60円前後で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「米貿易問題」と「香港デモ」について。
前者は、中国商務省が「米中は『第1段階』の通商合意について踏み込んだ協議を行っている」としたうえで、「関税の撤廃は合意の重要な条件」と指摘したことが一部で話題に。また、英紙FTが「米中、貿易合意第1段階の取りまとめで難航している」と報じたことも市場の警戒感を喚起した。しかし、そののちクドロー米NEC委員長から「米中通商協議は合意に近づいている」とFT紙報道を否定するかのような発言が聞かれ、こちらは逆にドルの支援要因になっていたようだ。

それに対して後者は、デモの拡大が懸念される香港で、教育局は「すべての学校について、15-17日は休校とする」と発表していた。また、中国共産党機関紙系・環球時報の英語版公式ツイッターアカウントにおいて「香港特別行政区が週末、夜間外出禁止令を発令する見通しだ」との投稿が観測されたものの、30分ほどで取り消されたことが確認されている。いずれにしても、波乱含みの状況にあるのかもしれない。なお、そうしたなか中国の習国家主席はBRICS首脳会議で香港情勢について触れ、「香港で続いている過激な暴力犯罪行為は、『一国二制度』の原則への重大な挑戦だ」と発言していたという。

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7日に直近の高値109.49円を記録後に軟化、昨日は目先安値の108.24円を示現している。1週間ほどで1円強、下落している計算だ。米中通商合意への期待感が剥げ落ちつつあり、ドルの上値が重くなってきたことは確かだが、まだ下値も堅い。本稿執筆時のレベル108.60円前後は、今月推移しているレンジ、107.89-109.49円のほぼ真ん中。「ドルの下押し機運が再び高まる」のか、それとも「108円台を中心としたレンジ取引をたどる」のか、引き続き次の動きをしっかりと見極めたいところだ。

材料的に見た場合、「米貿易問題」、「米金融政策」、「ウクライナ疑惑」、「トルコ・シリア情勢」のほか「北朝鮮情勢」や「英国情勢」、「イラン情勢」など注目すべき要因は少なくない。そのいずれも警戒を要するが、とくにとなると「米中情勢」と「ウクライナ疑惑」の行方が気掛かり。前者は「通商合意」に関する話も当然要注意で市場の波乱要因だが、「香港情勢」も気にかかる。先でも多少触れたように、非公式ながら「週末、夜間外出禁止令を発令する見通し」といった情報も聞かれており、本日を無事に乗り切っても明日以降はどうなるかわからない。週明け月曜日は寄り付きから荒れ模様の展開も考えられるだろう。

テクニカルに見た場合、移動平均の200日線(109.00-05円)にドルの上昇が阻まれたことに続き、これまでサポートとして寄与してきた25日線(108.70-75円)を日足が下回ってきた。ドルの続落リスクが指摘され始めている。昨日安値108.24円が目先のサポートで、割り込むようだと今月安値の107.89円がターゲットに。レンジの下放れとなるのか、それとも危機は回避されるのか要注目だ。

一方、11月のNY連銀製造業景況指数や10月の小売売上高、同鉱工業生産など幾つかの米経済指標発表が本日予定されている。それらの内容にはまず要注意。
また、13日に実施された「トランプ氏弾劾調査における公聴会」がまたもや実施される見込みで、そちらにも注意を払いたい。前回はテイラー駐ウクライナ代理大使の発言が物議を醸したが、本日も同様の発言が聞かれることになるのだろうか。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、107.90-108.90円。ドル高・円安方向は、本日東京高値や移動平均の25日線などが位置する108.65-75円が最初の抵抗。超えれば、再び109円台回復がみえてくる。
対するドル安・円高方向は、直近安値の108.24円の攻防にまずは注視。割り込めば108円割れ、今月安値の107.89円がターゲットに。

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