ドル円、米中リスク再燃と香港情勢悪化で一時109円割れ
海外時間の為替概況
11日(月)の外国為替市場でドル円は下落。@トランプ米大統領が先週末金曜日(11/8)に「米国は何も合意していない」と中国商務省の発表(中国と米国が貿易戦争の過程で発動した追加関税を段階的に廃止することで合意)に否定的な見解を示したことや、A香港情勢の激化、B上記@Aを受けたリスク回避ムード(株安→円高)が重石となり、ドル円は米国時間朝方に一時108.89まで下げ幅を広げました。しかし、同水準では押し目買い意欲も根強く、下げ渋ると、米主要株価指数の反発に連れて(米ダウ平均はマイナス161ドル安からプラス圏へ浮上)、ドル円も上昇。リスク回避ムードが和らぐ中、109円台を回復しました。その後は、米債券市場がベテランズデーで休場となる中、動意に乏しく、本稿執筆時点(日本時間4時現在)では、109.02近辺で推移しております。
一方、ユーロドル相場は底堅い展開。英ブレグジット党ファラージ党首が与党支持を表明したことで12/12に投開票が実施される英国総選挙で与党勝利の確率が上昇し、英ポンド高→ユーロ連れ高の動きが広がりました。ユーロドルは一時1.1043まで上昇するなど、心理的節目1.10割れを死守した格好となっております。もっとも、その後はメルシュECB理事が「経済のリスクは引き続き下向き」と発言したことで伸び悩み、本稿執筆時点(日本時間4時現在)では、1.1037近辺で推移しております。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は109.50近辺のレジスタンスに続伸を阻まれる形で反落に転じましたが(11/7高値109.49、11/8高値109.48)、下値では200日移動平均線109.03近辺でサポートされる動きが続いております。ファンダメンタルズ的に見ると、@日米金融政策格差(利下げに踏み切ったFOMCと、追加緩和の見送りを決めた日銀)や、Aトランプ米大統領・弾劾リスク、B米経済の先行き不透明感、C香港情勢の悪化、D米中協議を巡る先行き不透明感など、ドル安・円高に繋がり易い材料が燻るものの、米株がマイナス圏からプラス圏へ浮上したことを考慮すれば、リスク選好の動きは継続中と判断できます。安値圏での突っ込み売りは危険と考えられますので、サポートラインが密集する108.40ー75ゾーンを明確に割り込まない限り、上昇トレンドの途中で見られる一時的な押し目と捉える方が良さそうです。香港や米中を巡るヘッドライン、グローバルな株価動向を睨みながらも、本日はやや底堅い動きを予想いたします。(本日の予想レンジ:108.75ー109.50)
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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