ドル円 市場の関心は依然英国、ポンドの動きも注意(10/29夕)

29日の東京市場は、ドルが強保ち合い。わずかではあるが、前日更新した直近高値を再び更新する局面も観測されていた。

ドル円 市場の関心は依然英国、ポンドの動きも注意(10/29夕)

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29日の東京市場は、ドルが強保ち合い。わずかではあるが、前日更新した直近高値を再び更新する局面も観測されていた。

ドル/円は108.90円前後で寄り付いたものの、基本はレンジ取引。終日を通して30ポイントほどと決して大きな値動きではなかったが109円挟み、ドルは高値圏での強保ち合いをたどっている。前日からの流れを受けた米中通商協議の進展期待や、日経平均株価の7連騰などが追い風となり、ドルは底堅かった。ドル/円は16時時点で108.95-00円にて推移、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「英国情勢」と「米中貿易問題」について。
前者は、注目されていたEU加盟国大使級会合で「英国の1月31日までの離脱延期の要請が承認された」ものの、マーケットの反応はいまひとつ。事前に織り込まれていたこともあってか、影響は限定的なものにとどまっている。ただ、そののちジョンソン英首相が提示した「早期総選挙求める動議」を英議会が否決したほか、そのジョンソン氏はEU大統領に書簡を送り、自説を曲げる格好でEU離脱の10月末からの延期に同意すると表明していたようだ。

対して後者は、トランプ米大統領が中国との通商協議について、「予定より早く、中国と極めて大きな合意に署名すると予想している」と述べたと報じられたことが好感、リスクオンの動きからドル買い優勢に。また、ロイターが「米USTRは、中国製品340億ドル相当の関税適用除外措置の延長を検討している」などと指摘、こちらもドルの買い戻しを支援していたという。

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先週形成したレンジ上限の108.75円だけでなく、過去半月ほどドルの上値を阻んできた108.94円も、昨日NY時間に上抜けてきた。8月1日以来の109円台回復となる。上方向の2つの抵抗を上抜けてきたことで、リスクはドル高。次の抵抗は前記した8月1日高値の109.32円か。ただ、109.05-10円に位置する移動平均の200日線を越えそうで越えられていないことが若干気掛かりではある。

材料的に見た場合、「米貿易問題」、「米金融政策」、「ウクライナ疑惑」などのほか「北朝鮮情勢」や「英国情勢」−−etc、注目要因は多いものの、目先気になるのは「英国情勢」と「米ファンダメンタルズ要因」を含めた「米金融政策」か。29-30日にFOMCが開催されることからすると、とくに後者の「米金融政策」に注意を要したいが、昨日は伏兵的に「米中貿易問題」が市場動意の材料となっていただけに予断は許さない。本日も期待先行のドル買いが続く可能性もある。

テクニカルに見た場合、短期的なドルの抵抗である108.75円と108.94円を超え、一時109円台へ。レンジを上方向にブレークしたこともあり、ドルの続伸が期待されている。昨日もレポートしたように、経験則でいえば「年末に向けてドル高進行」のパターンが多いのだが、果たして今年もその経験則に則った動きをたどるのだろうか。
ちなみに、ドルの次の上値メドは8月高値109.32円だが、と同時に200日線をめぐる攻防、とくにNYクローズで上回れるか否かを注視したい。

今夜から明日にかけては、9月の中古住宅販売成約指数や10月の消費者信頼感指数といった米経済指標が発表される予定となっている。昨日発表された9月のシカゴ連銀全米活動指数、10月のダラス連銀製造業活動指数はともに予想を下回る内容で、それだけならばドルの悪材料だった。いずれにしても、これから発表される米指標の内容にも要注意だ。
そのほか、引き続き「英国情勢」にも注意が必要。ジョンソン氏は3度否決されたにもかかわらず、29日に「次期総選挙の日時を12月12日に設定する一行だけの法案」を下院提出する方針を表明している。まだまだ情勢は不透明な感を否めない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.50-109.30円。ドル高・円安方向は、移動平均の200日線も位置する目先高値の109.05-10円の攻防を注視。抜ければ、8月高値109.32円が名実ともにターゲットとなる。
対するドル安・円高方向は、短期的な抵抗で昨日抜けてきた108.80円前後が今度は逆にサポートに。割り込んだ場合には108円半ば、あるいは108.25円が意識されそうだ。

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