ドル円、200日移動平均線に続伸を阻まれる展開。米中懸念再燃で反落
海外時間の為替概況
29日(火)の外国為替市場でドル円は高値更新後に反落。米中協議の進展期待と、英合意なき離脱リスクの後退を背景に、アジア時間朝方には、約3ヶ月ぶり高値109.07まで上昇しました。しかし、200日移動平均線109.06に続伸を阻まれると、@米・10月消費者信頼感指数(結果125.9、予想128.0)が市場予想を下回り、6月以来の低水準となったことや、A一部通信社が「米中通商協議を巡る第1段階の合意文書署名が来月中旬にチリで開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)に間に合わない可能性がある」と報じたこと、Bトランプ米大統領が改めて「FRBの金融政策」を批判したこと等が重石となり、米国時間には108.78まで下げ幅を広げました。本稿執筆時点(日本時間10/30午前4時30分頃)では、108.83付近での推移となっております。
ユーロドル相場は下落後に持ち直す展開。英国情勢の先行き不透明感を背景に一時1.1073まで下落しましたが、@英国の総選挙実施(12月)の可能性が高まったことで、英ポンド買い→ユーロ連れ高の流れが強まると、A冴えない米経済指標(米・10月消費者信頼感指数)や、B米中協議を巡る先行き不透明感の再燃を受けた「ドル売り」が支援材料となり、米国時間には、1.1119まで上昇する展開となりました。もっとも、90日移動平均線1.1113が意識されてか上値も重く、本稿執筆時点では1.1108近辺まで押し戻れての推移となっております。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は、一時3ヶ月ぶり高値圏へと上昇するも、強力なレジスタンスとして意識される200日移動平均線(109.06)に続伸を阻まれる形で反落に転じました。同水準を突破できなかった事で、米FOMCや、日銀金融政策決定会合「待ち」の様相が一段と強まりつつあります。ファンダメンタルズ的にも、上記報道(米中通商協議を巡る第1段階の合意文書署名が来月中旬にチリで開催されるアジア太平洋経済協力会議に間に合わない可能性がある)を受けて、ここまでリスク選好ムードを演出してきた「米中協議の進展期待」に不透明感が燻り始めました。以上を踏まえると、米FOMC(米連邦公開市場委員会)や日銀金融政策決定会合を前に、やや「ドル売り・円買い」が進む可能性が警戒されます。
本日は、米・10月ADP雇用統計や、米・第3四半期GDP速報値、米FOMCなど、注目材料が目白押しです。米経済指標が冴えない結果となれば、米国ファンダメンタルズの悪化→米連続利下げ観測高進→米長期金利低下→ドル売りの流れが強まりかねません。また、米FOMCでは追加利下げがほぼ確実視されつつも、次回利下げに含みを持たせるか否かにおいて市場参加者の見方が別れております。当方では、今晩の追加利下げ(25bp)に加えて、声明文やパウエルFRB議長記者会見で次回12/10ー11の会合での利下げの可能性を滲ませると見ていることから、本日はややドル売りが進む展開をメインシナリオとして予想しております(但し、追加利下げを滲ませた場合は米主要株価指数が上昇すると見られる為、米長期金利の低下を受けたドル売りと、リスク選好の円売りがぶつかり合うことで、ドル円の下落余地は限られると予想しております)。(本日の予想レンジ:108.00ー109.25)
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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