ドル円週報 FOMCはじめ材料多い、レンジ抜けにも期待(10月第4週)

先週のドル/円は、週間を通して動意らしい動意なし。実際、1週間で動いた値幅はわずか52銭。これは、4月15-19日週に続く、今年2番目の小変動だった。

ドル円週報 FOMCはじめ材料多い、レンジ抜けにも期待(10月第4週)

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先週のドル/円は、週間を通して動意らしい動意なし。実際、1週間で動いた値幅はわずか52銭。これは、4月15-19日週に続く、今年2番目の小変動だった。

前週末にあたる19日、動静が注視されていた英下院において、EU離脱法案がまさかの「採決先送り」に。これにより、ジョンソン英首相は否定するが、10月末離脱はかなり困難になった感を否めない。

そうした状況下、週明けの為替市場がオープンし、ドル/円は先週末のNYクローズと大差ない108.40円前後で寄り付いたものの、週間を通してほぼ動きなし。実際、108.25-77円という52銭レンジで取引を終えている。「即位礼」と合わせ安倍首相が50数ヵ国首脳とマラソン会談実施、菅原経産相に複数の疑惑が台頭し経産相を辞任するなど、材料がまったくなかったわけではないが、市場の関心が前記した「英国情勢」に集中していたこともあり、ドル/円はほとんど蚊帳の外だった。
それに対してポンドは、報じられる発言やニュースに一喜一憂。レンジそのものは、極端にワイドではなかったが、上下に激しく振れる往来相場をたどっていた。対円では140±1.5円といったレンジ内で落ち着かない値動き。

一方、週間を通して注視されていた材料は、「英国情勢」と「米中貿易協議」について。
前者は、土壇場まで縺れたものの、英国とEUの間で「離脱合意が成立」。しかし、次の関門と見られた英下院議会での採決で、またもや躓いた。その後も、10月末離脱を諦めないジョンソン英首相が起死回生を狙った「EU離脱協定関連法案を高速審議するための議事進行動議を提出」したが、英下院が反対多数で否決し、そちらも不発に終わっている。なお、ジョンソン氏は「12月12日総選挙実施」を提案したものの、コービン野党・労働党党首がすぐに反応し、提案を拒否する構えを示すなど、依然として混乱が収まる様子はない。また、注視されていた25日の会合でEUは英離脱延期に関する決定を持ち越し、結論を先送りしている。

それに対して後者は、米USTR代表が「25日に中国と閣僚級の電話協議を実施する」と発言、市場の関心が集中するなか、ロイターが「中国は24億ドル規模の対米制裁措置をWTOに申請した」と報じた一方、米国務長官は「中国による米企業への報復は完全に不適切」と発言するなど週初から敵対ムードは解消されず。ただ、実際週末25日に実施された電話協議について、米中とも「一部で進展があった」との見解を示していた。

<< 今週の見通し >>

前述したように、先週は1週間を通してドル/円はわずか52銭の変動しかなかった。また、期間をもう少し延ばし、2週間で考えても108.04-94円という1円未満のレンジにとどまっている。いずれにしても、方向性は極めて乏しいと言わざるを得ない。そんな108円台での一進一退がいましばらく続く可能性ももちろん否定出来ないが、材料に見た場合、今週は注目要因が少なくない。方向性は定かでないが、一部からは大きくレンジ放れをたどる展開を期待も込めて見込む声が聞かれていた。

材料的に見た場合、米国ファクターとして「貿易問題」、「金融政策」、「ウクライナ疑惑」など、それ以外でも「北朝鮮情勢」や「イラン・サウジ情勢」、「英国情勢」、「トルコ情勢」など注目要因は目白押し。それぞれ注意すべきところは多いものの、目先となると月末29-30日にFOMCが実施されることを踏まえての「米金融政策」だ。また、日銀決定会合ならびに政策金利の発表も予定されており、そちらに関する警戒感も強い。ここしばらくは貿易問題が相場変動の主因を担ってきたが、今週は金利要因ならびに米ファンダメンタルズが注視される公算が大きいのかもしれない。

テクニカルに見た場合、108.04-94円いうレンジ取引も、気が付いたら早2週間に達している。ただ、今年の動静を調べてみると「1円程度」という非常に狭い揉み合いをたどるのは、精々半月程度までで、そう考えると足もとはかなり煮詰まりつつあるとも言えそうだ。経験則を参考に、レンジブレークについてもそろそろ警戒しておいて損はない気もしている。
ちなみに、上抜ければ、8月高値109.32円がターゲットとなる反面、下値を割り込めば複数のテクニカルポイントが位置する107円半ばから後半が意識されかねない。

一方、週間を通して10月の消費者信頼感指数や同雇用統計、7-9月期GDP速報値など、重要な米経済指標の発表が目白押し。メインイシューとしては、先で指摘したFOMCになるが、隠れテーマ的に発表される米経済指標はかなり重要で、内容如何では相場の波乱要因になりかねないという気もしている。

そのほかでは、28-31日に実施される見込みの「中国共産党4中総会」が気掛かり。実に1年8ヵ月ぶりに実施されるもので、新華社通信はかつて「4中総会では社会主義制度や国家統治の堅持・改善に関する重要問題が議論される」と指摘していた。

そんな今週のドル/円予想レンジは、107.80-109.50円。ドル高・円安については、先週高値の108.77円の攻防にまずは注目。上抜ければ移動平均の200日線も近くに位置する108.94円、そして8月高値の109.32円などが意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、先週だけで2度サポートされた108.25円レベルが最初のサポート。割り込むとレンジ下限の108.04円、そして複数のテクニカルポイントが集中する107円半ばから後半がターゲットに。

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