海外時間の為替概況
24日(木)の外国為替市場でドル円は狭いレンジ内で横ばい推移。欧州時間序盤に一時108.75(日通し高値)まで上昇するも、@「英政府が総選挙(12/12)を求める動議を10/28に提出する意向」と伝わったこと(英ポンド円売り→ドル円連れ安)や、A米・9月耐久財受注(結果▲1.1%、予想▲0.8%)の冴えない結果、B一部通信社による「来週の日銀金融政策決定会合でBOJは追加緩和を見送る見通し」とのヘッドライン、Cペンス副大統領演説(対中関連)を前にした警戒感が重石となり、米国時間朝方には、一時108.50まで下げ幅を広げました。
しかし、108円ミドルに位置する一目均衡表転換線(108.48)付近で下げ渋ると、その後は、Dペンス副大統領演説が「中国が香港で権利や自由を奪っている」と批判しつつも、「米国は中国との対立も両国の分断(デカップリング)も望んでいない」とするなど、概ね市場予想の範囲内であったことが支援材料となり、引けにかけて持ち直す展開に。本稿執筆時点(日本時間10/25午前4時50分)では108.63近辺で推移しております。一日の値幅がわずか25銭に留まるなど、方向感を見出し辛い時間帯が続いております。
一方、ユーロドルは軟調推移。@欧州時間朝方に発表されたフランス・10月製造業PMI(結果50.5、予想50.3)が市場予想を上回ったことで、一時1.1163まで上昇するも、Aドイツ・10月製造業PMI(結果41.9、予想42.0)や、Bユーロ圏・10月製造業PMI(45.7、予想46.0)が冴えない結果となったことや、C「英政府が総選挙(12/12)を求める動議を10/28に提出する意向」と伝わったことに伴う英ポンド売り→ユーロ連れ安の流れ、DECB定例理事会にてドラギ総裁がユーロ圏経済の「下振れ」懸念を強調したこと(金融緩和長期観測)等が重石となり、米国時間にかけて安値1.1093まで下落しました。引けにかけて持ち直すも上値は重く、本稿執筆時点(日本時間10/25午前4時50分)では1.1107付近で推移しております。
尚、ドラギECB総裁最後となるECB定例理事会では、市場予想通り、@主要政策金利の据え置き(0.00%→0.00%)、A預金ファシリティ金利の据え置き(▲0.50%→▲0.50%)、B限界貸出金利の据え置き(0.25%→0.25%)、Cフォワードガイダンスの据え置き(インフレ見通しが目標水準に強く収束するまで、金利を現行水準またはそれ以下に留める)、D予定通り11/1より月額200億ユーロの国債買い入れを再開、が発表されております。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は、方向感を見出し辛い時間帯が続いております。一目均衡表転換線が下値を支える構図が続いており、昨日も同水準付近で下げ渋る動きとなりました。一方、ファンダメンタルズ的に見ると、@英国情勢の先行き不透明感や、Aトランプ米大統領を巡る弾劾リスク、B世界経済の減速懸念、C米中を巡る不確実性、D中東の地政学的リスク(※10/23にトルコがシリア北部での停戦を恒久化する方針を示し、トランプ米大統領がトルコへの制裁を解除すると表明したことで、トルコを巡る地政学的リスクが幾分低下)、E日米金融政策格差(追加利下げが織り込まれる米国と、副作用を警戒して追加緩和に二の足を踏んでいる日銀との金融政策の方向性の違い)など、ドル売り・円買いに繋がり易い材料が引き続き多く残っています。事実、上記Eについては、一部通信社より「日銀は来週の金融政策決定会合で追加緩和を見送る方針」と報じられております。リスクは依然「下向き」と考えられるでしょう。
本日のドル円は米経済指標等のイベントに乏しく、方向感に欠ける値動きが続くと予想されます。@ダウンサイドは、一目均衡表転換線108.48、10/23安値108.25、ボリンジャーミッドバンド108.02、Aトップサイドは、10/17高値108.94、心理的節目109.00、200日移動平均線109.07あたりが意識されており、これらの水準をクリアに突破しない限り、方向感を見出すには至らないでしょう。本日は108円ミドルを中心としたレンジ相場を予想いたします。(本日の予想レンジ:108.25ー109.00)
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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