米経済指標に注目、レンジ脱却なるか!?
<< 東京市場の動き >>
22日の東京市場は、ほぼ横這い。東京が休場となるなか、積極的な動意は乏しく、108円半ばから後半、20ポイントにも満たないレンジ取引に終始している。
ドル/円は108.55-60円で寄り付いたものの、ほとんど動意らしい動意が観測されない凪相場。底堅いものの、上値も重く108円半ばから後半の一進一退に。新規材料は乏しいなか、時間外で取引された日米株価はともに小じっかり。NYダウ先物など主要指数はプラス圏で推移したが、リスクオンには結びつかず、影響は限られたものにとどまっている。16時時点では108.55-60円で推移、欧米時間を迎えていた。
なお、荒っぽい値動きが続くポンドだが、本日東京時間は総じて静か。実際、対円では140.60-141.10円と50ポイント程度のレンジ取引だった。
一方、材料的に注視されていたものは、「英国情勢」と「米中通商合意」について。
前者は、ジョンソン首相が「誰も延期を望んでいない」と発言するなど政権サイドが離脱案の早期承認を目指すことを表明する反面、北アイルランドの民主統一党が改めて「支持しない」との立場を明らかにするなど膠着状態。そうしたなか、バーコウ英下院議長が「21日中の離脱協定案の本採決を認めず」と発表したことが一時嫌気されていた。
対して後者は、ロイターが「中国は24億ドル規模の対米制裁措置をWTOに申請した」と報じた一方、米国サイドはトランプ氏が「中国に農作物のさらなる購入拡大を求める」、米国務長官は「中国による米企業への報復は完全に不適切」と発言するなど敵対ムードは依然として強い。また、FOXニュースが米商務長官の発言として「米中通商合意は内容が大切。必ずしも11月に達成する必要ない」と報じたことも思惑を呼んでいたようだ。なお、そうしたなか米USTR代表から「25日に中国と閣僚級の電話協議を実施する」ことが明らかにされている。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は依然として108円台での一進一退をたどっており、明確な方向性はうかがえず。市場の最大関心事は「英国情勢」にあり、為替市場もポンドを中心とした動きで、ドル/円は蚊帳の外といった感も。いましばらくレンジ取引が続く可能性を否定出来ないだろう。ただ、「米中通商問題」に不透明感が指摘されるなど不穏な動きも観測されるだけに、嵐の前の静けさと捉え、今後の動きを警戒する声も聞かれていた。
材料的に見た場合、「北朝鮮情勢」や「イラン・サウジ情勢」、「英国情勢」、「米貿易問題」、「米金融政策」、「トランプ氏のウクライナ疑惑」さらに「トルコ情勢」など注目要因は少なくない。それぞれ注意すべきところはあるものの、短期的には「英国情勢」と「米ファンダメンタルズ」ならびに「金融政策」に引き続き注意を払いたい。後者については、来週に注目の米FOMCを控えるなか、先週発表された米経済指標が軒並み予想を下回る内容で追加利下げを想起させるものだった。昨日は米経済指標の発表がなかったが、本日以降再び注目の指標発表が相次ぐだけに、それらの内容にまずは注目だ。内容如何では、利下げ観測が再び高まると、為替市場においてもドル売り要因となりかねないかねしれない。
テクニカルに見た場合、過去1週間強のあいだ108.04-94円という1円未満のレンジだが、先週後半からの直近3日程度とすれば形成レンジはさらに狭く、108.28-94円となる。まずは足もとの狭いレンジのブレークに注目で、次いで前記した1円レンジをめぐる攻防が注視されそうだ。
ちなみに、レンジを上抜ければ8月高値109.32円が意識されそうな反面、下値を割り込めば複数のテクニカルポイントが位置する107円半ばがターゲットに。
一方、材料的に見た場合、10月のリッチモンド連銀製造業指数や9月の中古住宅販売件数といった米経済指標が発表される予定となっているうえ、米財務省による2年債の入札も実施される見込みだ。
また、昨日23ヵ国の首脳級と会談したとされる安倍首相は、本日もマラソン会談を実施するもよう。さらに、茂木外相が来日したEUのモゲリーニ外相と会談したように、安倍首相以外でも各国要人との会談機会は多く、日本発の要人発言には注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.20-108.90円。ドル高・円安方向は、強い抵抗となると、先週高値の108.94円だが、目先は昨日高値108.73円をめぐる攻防を注視。109円台は近くて遠いイメージで、到達にはいま少し時間が必要か。
対するドル安・円高方向は、週初安値の108.29円が最初のサポートで、割り込んだ場合には先週安値108.04円がターゲットに。ただ、いずれにしてもドルは底堅いイメージ。(了)
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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