ドル円、英ポンドの下落に連れ安。英国情勢次第では一段安の恐れも(10/23朝)

22日(火)の外国為替市場でドル円は軟調推移。

ドル円、英ポンドの下落に連れ安。英国情勢次第では一段安の恐れも(10/23朝)

ドル円、英ポンドの下落に連れ安。英国情勢次第では一段安の恐れも

海外時間の為替概況

22日(火)の外国為替市場でドル円は軟調推移。米中協議の進展期待を背景に、アジア時間朝方に高値108.72まで上昇するも、本邦祝日で商い閑散となる中、その後は終始上値の重い展開が継続しました。米国時間に発表された、@米・10月リッチモンド連銀製造業指数(結果8、予想▲7)が市場予想を大幅に上回ったこと、A米・9月中古住宅販売件数(結果538万件、予想 545万件)が市場予想を下回りつつも前月分が上方修正(549万件→550万件)されたことが好感され、ドル円は一時持ち直す場面も見られましたが、本日・日本時間早朝(午前3時台)にかけて、英ポンド円が急落すると(※英議会下院がEU離脱協定案を可決するも、EU離脱協定法案の審議日程の短縮が否決されたことで、10/31期限前の離脱が困難となり、英ポンド・ロングの投げが加速)、ドル円も連れて108.44まで下げ幅を広げました。引けにかけて小反発するも上値は重く、本稿執筆時点(日本時間午前4:30)では108.50近辺で推移しております。尚、英政府はその後「短期の離脱延期を排除しない」との意向を示しました。

ユーロドルは終始上値の重い展開。アジア時間朝方に高値1.1158を記録するも、10/24のECB理事会を前に様子見ムードも根強く、方向感に欠ける値動きが継続しました。海外勢参入後は、@良好な米経済指標を受けたドル買いや、AEU離脱協定法案の審議日程・短縮の否決を受けた英ポンドの急落が重石となり、引けにかけて安値1.1119まで下落。本稿執筆時点では1.1130近辺での推移となっております。

ドル円のテクニカル分析

ドル円は、先週までの力強い動きから一変し、この1週間は、伸び悩む動きが続いております。心理的節目109円丁度や、200日移動平均線109.07などのレジスタンスが意識されており、ここからの上昇は容易では無いと考えられます。10/18に公表された10/15時点のIMM通貨先物を確認しても、円のネットロングが約2ヶ月半ぶりに円のネットショートに転じるなど、ドル円のショートカバー余力は既に無くなったと整理できます(つまりここから一段と上昇するには追加の材料が必要)。

ファンダメンタルズ的にも、@英国情勢の先行き不透明感や、Aトランプ米大統領を巡る弾劾リスク、B世界経済の減速懸念、C米中協議を巡る不確実性、D中東の地政学的リスク、E日米金融政策格差(追加利下げが織り込まれる米国と、副作用を警戒して追加緩和に二の足を踏んでいる日銀との金融政策の方向性の違い)など、ドル売り・円買いに繋がり易い材料が引き続き多く残っています。

本日も英国を巡るヘッドラインに振らされる神経質な展開が予想されます。英議会審議では、EU離脱協定案の可決が成立するも、EU離脱協定法案の審議日程の短縮が否決されるなど、今尚不透明感に包まれています。英ポンドの俄かロングはまだまだ切れておらず、一段と売り込まれる展開(ストップを付けてにいく展開)となれば、ドル円が連れ安となる可能性は否定できません。本日はドル円の下落をメインシナリオとして予想いたします。(本日の予想レンジ:107.90ー108.90)

ドル円、英ポンドの下落に連れ安。英国情勢次第では一段安の恐れも

ドル円日足

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