<< 東京市場の動き >>
週明け7日の東京市場は、ドルが堅調裡。安寄りしたものの、結果は「寄り付き安・大引け高」で、見た目以上にドルの強さが目についた。
先週末に、実施された米朝実務者協議は米国と北朝鮮で異なる見解になったものの、実質的には「決裂」に終わるなか、いわゆる「ウクライナ疑惑」についてABCニュースが「2人目の内部告発者が告発の準備を進めている」と報じるなど、今後の動きが懸念されていた。
そうしたなか、週明けの為替市場が寄り付いたが、ドル/円は先週末のNYクローズよりやや円高の106.65円レベルで取引開始。しかし、結局同レベルが日中を通してのドル安値となり、以降はむしろドル買い・円売りが優勢に。値幅そのものは30ポイント程度にとどまったが、それでも早朝に空けた上方向のギャップを早々に埋めるなど、夕方にかけてじり高推移をたどると、16時時点では日中最高値圏である106.85-90円で推移、欧米時間を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「北朝鮮情勢」と「ウクライナ疑惑」について。
前者は、実施された米朝実務者協議の前に、北の主席代表から「会談には非常に楽観的」との発言も聞かれていたが、8時間以上の時間を費やした結果は、実質的な「決裂」。米国サイドは交渉継続に意欲をみせるも、北朝鮮側は主席代表が「米朝実務協議は決裂、しばらく中断する」と発言したほか、外務省報道官から「敵視政策撤回まで米国とは交渉しない」との発表も聞かれていた。
<< 欧米市場の見通し >>
先週末に発表された米雇用統計は、強弱入り混じった判断の難しい内容ながら、最終的にはドル買いの反応が優勢に。一時107円台を回復している。しかし、ドル高の動きは続かず、本日の東京時間も結局は106円台、米雇用統計発表前と大差ないレベルでの推移だ。予断は許さないが、目先は先週末に掛けて形成した106.50-107.15円、あるいは106.50-107.30円といった、どちらにしても1円にとどかない狭いレンジ取引が続く可能性もある。
材料的に見た場合、「北朝鮮情勢」や「イラン・サウジ情勢」、「英国情勢」、「米貿易問題」、「米金融政策」のほか「トランプ氏のウクライナ疑惑」に対する関心も高い。それぞれに注意を払いたいが、目先の要因としてとくに注視されているのは「米金融政策」と「米中貿易協議」について。うち後者は、カドロー米NEC委員長から「中国との通商協議に予断を持たず臨む」とやや警戒を要する発言が聞かれたものの、マーケットはいつもながらの期待感先行になっている感も否めない。これまでの経験則では、期待感先行するも最後は失望で終えるということが多いのだが、果たして今回はどんな結末を迎えるのだろうか?
テクニカルに見た場合、ここ数日はそれなりの乱高下こそあるものの、結果としてレンジ取引。それも1円に満たない非常に狭いボックス内での一進一退となっている。前述したように、まずは106.50-107.15円、あるいは106.50-107.30円という最近のレンジをめぐる動きに注意を払いたい。
ちなみに、106円半ばを割り込めば、次のターゲットは106円前後。逆にレンジを上抜けた場合には、移動平均の25日線が位置する107円半ばが意識されそうだ。
一方、材料的に見た場合、8月の消費者信用残高という米経済指標が発表されるだが、正直市場の関心はさほど高くない。よほどの数字にならないかぎり、基本的にはノーインパクトか。ただパウエル米FRB議長が全米企業エコノミスト協会年次会合で講演する予定とされるなど、米通貨当局者の発言機会は少なくないだけに、そちらには注意を払いたい。
また、今週最大の注目要因といってもよい「米中貿易協議」についてだが、10-11日の「閣僚級協議」を前に、7-8日には「次官級協議」が実施される見込みだ。事前折衝の動きも一応チェックしておきたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、106.50-107.30円。ドル高・円安方向は、先週末NY高値にあたる107.13円が最初の抵抗。超えれば107.30円、107円半ばなどがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日早朝に記録した安値106.60-65円の攻防にまずは注視。ただ割り込んでも、最近のレンジ下限である106円半ばなど下方向のサポートは多く、底堅そうだ。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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