<< 東京市場の動き >>
27日の東京市場は、ドル安・円高。それも、「寄り付き高・大引け安」に近い値動きで、ドルの弱さがとくに目についた。
ドル/円相場は106.05-10円で寄り付いたのち、しばらく揉み合い。106.00-15円といったレンジ取引をたどるも、底割れすると、ドルはじり安推移。夕方にかけて、日中安値である105.60円レベルまで緩やかな下降となった。日経平均株価は終値ベースで200円近く上昇したものの、時間外取引のNYダウ先物などがマイナス圏推移となったことが嫌気されていたという。16時時点では105.60-65円で推移、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「米中関係」と「日米貿易協議」について。
前者は、昨日欧米時間にトランプ米大統領が「中国から通商協議の再開を望むとの連絡があった」などと明らかにしたことがドル急騰の主因となっていた。しかし、その後中国商務省は「米中の週末の電話協議は承知していない」とトランプ発言の一部を否定、さらなる円安進行に歯止めを掛けている。なお、そうしたなか米国防総省は、ベトナムが領有権を主張する海域における石油・天然ガス開発に「中国が高圧的に介入している」とした声明を発表、貿易とは別のところで対立が観測されていた。
対して後者は、トランプ氏から「日本の自動車への関税、現時点で検討していない」との発言が聞かれ安心感を醸すなか、米農業界からは日米貿易交渉の基本合意を評価するコメントが相次いでいた。また、その後麻生財務相から「日米首脳会談で為替の話はでていない」とのコメントが聞かれていたようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
昨日東京で示現した安値104.44円から、一時2円近く反発。106円半ば近くまでドルが戻した際には相場観を一から構築しなおす必要があると考えたが、本日東京時間に再び105円台へと押し戻されており、やはり基本的なリスクは引き続き円高方向にバイアスがかかりそうだ。もっとも、このままドルが続落し、一気に前述安値104.44円を再び試すと予想する向きはそれほど多くない。しばらくは105円台を中心とした一進一退、様子見の展開が見込まれている。
材料的に見た場合、「北朝鮮情勢」や「イラン情勢」、「米貿易問題」、「米金融政策」など注目要因が多いなか、もっとも注視されているものはやはり「米貿易問題」。そのなかでも、特にとなるともちろん米中が要注意なのだが、ここにきて米欧貿易問題が急浮上している感があることも気掛かり。実際、昨日もトランプ大統領から欧州を念頭においたとされる、「米国は長年にわたって多額の資金を失ってきた」との発言が聞かれていた。日米が一応の決着をみたことで、米中そして米欧についての攻防が今後激しさを増す可能性も指摘されており、大いに注意を払いたい。
テクニカルに見た場合、先週末高値106.74円から104.44円までの下げ足も急激だったが、その後の戻りもなかなか速かった。ともかく、レンジの上下をともに達成した感があることで、目先は105円台を中心に、落ち着きどころを探る展開になっているのかもしれない。
なお、本日東京で示現したドル安値105.60円レベルは、104.44円を起点としたドル上昇幅のフィボナッチ38.2%押しにほぼ合致する。しっかり割り込めば、半値押しの105.40-45円、61.8%押し105.20円などがターゲットに。
一方、材料的に見た場合、8月のリッチモンド連銀製造業指数や同コンファレンス・ボード消費者信頼感指数といった米経済指標が発表されるほか、米財務省による2年債入札が実施される見込みとなっている。ちなみに、昨日発表された米経済指標はマチマチの内容だっただけに、本日は如何なる内容となるなか、警戒感を抱く向きも少なくないようだ。
また、国連安保理事会は、北朝鮮が24日に短距離ミサイルを発射したことについて、本日非公開で議論することを決めたとの一部報道も観測されており、動静が注視されている。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、105.00-106.20円。ドル高・円安方向は、106円前後に弱い抵抗が位置しており、まずは同レベルの攻防に注視。上抜ければ、昨日高値の106.40円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値を含めた105円半ばが最初のテクニカルポイントで、下回ると105.15-25円や105円ちょうどなどが意識されそうだ。
ドル円時間足
オーダー/ポジション状況
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