<< 東京市場の動き >>
23日の東京市場は、ドルが小じっかり。上値は重いが、それでも週間高値である106.70円レベルに終盤接近する局面も観測されている。
ドル/円は寄り付いた106.35-40円を日中安値に、緩やかな右肩上がり。飽くまでジリジリとした動きだったが、それでも終盤には日中高値である106.65円前後まで値を上げている。「寄り付き安・大引け高」の様相で、価格変動以上にドルの地合いの強さが目についた。16時時点でも日中のドル最高値圏である106.60円前後で推移、欧米時間を迎えている。
なお、そうしたなか韓国ウォンが冴えない。日韓関係の悪化を嫌気した動きから、ドル/ウォンは一時1ドル=1214ウォンレベルまで上昇し、今週のウォン安値を更新していた。
一方、材料的に注視されていたものは、「日米貿易協議」と「日韓関係」について。
前者は、初日の討議前、茂木経財相は「いよいよ大詰めになってきた。頂上は見えてきている」などと自信満々のコメントを発していたが、その初日討議後には「まだ埋めなければならない溝がある」とトーンダウン。そののち、当初通りなら満了だった2日間の協議日程終了に、「閣僚協議の一日延長」を発表、23日にも協議を継続することを明らかにした。自動車や農産物などの協議で難航している感をうかがわせている。
対して後者は、22日の夕方、韓国が発表した「日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄」に関する発言なども多く話題に。ちなみに、トランプ米大統領からのコメントはまだ聞かれていないが、米商務省は「文政権の大いなる思い違いを知らしめることになると繰り返し伝えてきた」として、韓国を異例の強い表現で批判している。
そのほかとしては、米NEC委員長が「21日に中国と電話で事務レベル貿易協議を実施した」と表明し、マーケットで思惑を呼んだほか、トランプ氏がまたもやツイッターで、「追加利下げなら米経済成長は史上最高の可能性も」と発言、FRBにプレッシャーをかけていたことも話題となっていた。
<< 欧米市場の見通し >>
今週のドル/円は、ここまで106.15-70円といったレンジ取引で、変動幅はわずか55ポイント。仮に、このまま今週が終了すれば、4月15-19日週に次ぐ、今年2番目の週間小変動ということになりそうだ。ただ、後述するように本日のNYタイムには注目材料を控えていることもあり、さすがに足もとの55ポイントレンジにとどまると予想する向きは少数派。上方向に放れれば取り敢えず107円そして107.20円など、底割れした場合には105.65円や105.05円がターゲットに。
材料的に見た場合、「北朝鮮情勢」や「イラン情勢」、「米貿易問題」、「米金融政策」など注目要因が多いなか、本日に限ればやはり「ジャクソンホールにおけるFRB議長の講演」が最大の注目材料か。当初は、それほど弱気なトーンにならないとの見方が主だったが、前述したようにトランプ氏から連日利下げ圧力がかかっているほか、発表される米経済指標がまだら模様で米経済の減速感がうかがえることで市場筋の予想に変化も。ここにきては利下げへの言及など、弱気にバイアスのかかった発言を見込む向きが増えている。いずれにしても、発言内容をめぐり前後の相場はかなりの荒れ模様をたどる可能性があり要注意。
テクニカルに見た場合、今週はまだ106.15-70円といった50ポイント強の値動きにとどまっており、最悪のケースではそのまま今週が終了する展開も。しかし、材料的な要因と絡め、レンジ放れを見込む向きも少なくない。ただ、後者の場合でも、少し期間を長めにとった場合の105.60-107.00円という大きなレンジには留まるとの声もあり、こちらをブレークできるかに注目だ。
一方、材料的に見た場合、7月の新築住宅販売件数という米経済指標が発表される予定となっているが、最大の注目要因は「ジャクソンホールにおけるFRB議長の講演」。ちなみに、日本時間の23時ごろからとされ、前後の価格変動には注意を払いたい。
また、2日間の討議予定が一日延長された「日米貿易交渉の閣僚協議」も気掛かり。場合によっては、こちらの方がより大きな影響を与えかねないなどといった指摘も聞かれていた。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、105.70-107.20円。ドル高・円安方向は、週間高値である106.70円レベルの攻防にまずは注視。また、上抜けても106.78円、107円など抵抗は多いものの、逆にストップロスも蓄積されはじめており予断を許さず。
対するドル安・円高方向は、下値がじりじりと切り上がっており、実際今週一度も106円を割り込んでいない。すでに106円台前半では若干の底堅さもうかがえる。ただ、しっかり割り込めば15日安値105.65円がターゲットに。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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