<< 東京市場の動き >>
22日の東京市場は、ドルが小安い。レンジそのものは30ポイント強にとどまったものの、夕方にかけて下値を探る動きで引け味が悪かった。
ドル/円は106.55-60円でしばらくは揉み合い。106.50-65円といった取引が続いたが、底割れすると、そのまま夕方にかけて106.25-30円まで下落している。ドル/円単体で下げたというより、円が全般的に買い進まれており、ユーロ/円やポンド/円なども値を下げていた。結局、16時時点では106.30-35円のドル安値圏で推移、欧米時間を迎えている。
なお、そうしたなかNZドルが対ドルで下落。一時0.6370ドルレベルを示現し、年初来安値を更新する局面も観測されていた。
一方、材料的に注視されていたものは、様々な「トランプ米大統領発言」について。
たとえば、「キャピタルゲイン税を物価上昇率に連動させることは検討していない」、「現時点で給与税の減税は検討していない」との発言が聞かれたほか、「燃費基準緩和案」不支持の自動車メーカーを非難するコメントも観測されている。また、「グリーンランド購入」発言をめぐり、デンマーク首相が発したコメントについて「不適切な言い方」などと噛みついたうえ、ロシア、パキスタン、イランなどを例に挙げ「ほかの国も過激派組織ISと戦う必要がある」との考えを示していたようだ。
そのほか単発モノとしては、為替に関連した発言やニュースがいくつか観測され一部で話題に。2つほど例を挙げると、国際通貨基金(IMF)による、米中貿易摩擦を念頭に指摘したとされる「為替操作で貿易不均衡は解決しない」との見解や、11日の大統領予備選以降軟調推移が続く自国通貨について、アルゼンチンの新財務相が「ペソの大幅安は容認しない」、「ペソ相場を下支えするため、外貨準備を活用」とコメントしていた。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は再び膠着相場の様相を強めている。実際、今週だけの値動きは106.15-70円といったもので、期間を少し延ばして過去1週間程度と考えても105.60-107.00円だ。いずれにしても、明確な方向性は乏しい状況で、いま少しレンジ内での一進一退が続くとの見方も少なくない。ただ、明日に注目の「FRB議長のジャクソンホール講演」を控えていることで、本日はともかく、週末のNYは大きく動くことを期待半ばで指摘する声も聞かれていた。
材料的に見た場合、「北朝鮮情勢」や「イラン情勢」、「米貿易問題」、「米金融政策」など注目要因が多いなか、引き続きお喋りトランプの発言が相場の攪乱要因となっている感を否めない。単なる貿易問題だけにとどまらないばかりか、対中やイランだけでなく、ロシアや欧州、英国、日本などのほか、昨日は前述したようにデンマークを標的にしたコメントも聞かれている。全方位がターゲットとなっているようで、本日も発言内容によっては相場の波乱要因となりかねないだろう。
テクニカルに見た場合、前述したように今週はまだ106.15-70円といった50ポイント強の値動きにとどまっている。そんな足もとの狭いレンジを上下どちらに放れていくのか、方向性が注視されているものの、基本的には明日の材料にらみで大きな動きは予想しにくい。また、仮に目先レンジを抜けたとしても、少し期間を長めにとった場合の105.60-107.00円という大きなレンジのなかにはとどまりそうとの見方が有力だ。
一方、材料的に見た場合、8月の製造業PMIや同総合PMI速報、7月の景気先行指数といった米経済指標が発表される予定となっている。また、注目のFRB議長講演は明日になるものの、本日から「ジャクソンホール会議」が始まることで、出席者などによる発言を警戒する声も聞かれていた。
そのほか、22日まで実施される「日米貿易交渉の閣僚協議」を注視する向きも少なくない。初日の討議前、茂木経財相は「いよいよ大詰めになってきた。頂上は見えてきている」などと前向きのコメントを発していたが、果たして進展がみられるのか、大いに注目だ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、106.00-106.90円。ドル高・円安方向は、本日東京高値にも近く、なかなか抜けられない106.70円レベルの攻防にまずは注視。ただ、上抜けても106.78円、107円など抵抗は多く、ドルの頭は重そうだ。
対するドル安・円高方向は、今週のドル安値である106.15-20円が最初のサポートで、割り込むようだと106円割れが意識されそうだ。しかし、105円台後半にはテクニカルポイントも多く、大きく崩れるイメージに乏しい。ドルは底堅そう。
ドル円時間足
オーダー/ポジション状況
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