米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(2019年7月30日・31日開催分)

8月21日、FOMC議事要旨が公表されました。

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米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(2019年7月30日・31日開催分)

米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨 (2019年7月30日・31日開催分)

昨日(8月21日)、FOMC議事要旨が公表されました。
以下は議事要旨の一部和訳となっています。

<<FFレート下げを好ましいと考えたFOMC参加者がその行動を支援した3つの材料>>


第1に、全般的な経済見通しは依然好ましい状況だが、ここ数四半期の経済活動で減速の兆候があった。とりわけ企業の固定投資と製造業に見受けられる。国際貿易を取り巻く不確実性に関連した海外経済の明白な減速がこの鈍化の主要要因として表れた。これらの動きが、最大雇用や物価安定に向けて、想定される適切なFFレートの道筋を、参加者に対し下方修正に導いたことにある。

第2に、この会合での緩和政策が、将来のリスク管理見通しに、賢明なステップになるだろうということだ。この会議中に勇気づけられる(経済的)兆候が幾つかあったけれども、6月会合から発した経済見通しに関わる多くのリスクや不確実性がより大きくなったということだ。とりわけ世界経済や国際貿易に関連した事項である。

第3に、インフレ見通しに関する事項がある。何人かの参加者は全般的なインフレについて、委員会目標の、食品・エネルギー除くインフレが2%以下で継続するという見立てである。長期的に続く失業率の水準が、想定していたより明らかに低いという兆候があるにも関わらず、賃金上げの圧力があまりに緩やかであることをコメントした。参加者は長期のインフレ見通しの議論を行った。幾人かの参加者は、市場に基づくブレークイーブン・インフレ率の期待値係数がおそらく近い将来に、金融緩和を行うとの市場参加者の期待値を反映しているものではないかと結論付けた。

何人かの参加者は今回の会合で、25ベーシス下げよりも50ベーシス下げを選好した。彼らは過去何年にもわたるしつこい低インフレに対抗するには強い行動を取ることを好んだ。
また、幾人かの参加者は今回の会合で据え置きを選好した。これは実態経済が引き続き良い位置にあり、強い消費者に支持され、強い雇用と低失業率があるからだ。これらの参加者も全般的に世界経済に横たわるリスクや不確実性を理解している。2・3の参加者は一層の金融緩和は経済のある部門では金融安定にリスクがあり、この会合での利下げは経済の現状にマイナスの影響として誤解を与えるかもしれないと表明している。

(中略)

これらを基に、2人のメンバーを除く全員が今回の会合でFFレートを2〜2.25%に下げることで合意した。今回の会合でのこの(利下げ)行動は2018年暮れに始まったFFレートの適切な道のりに沿って再評価を続けることの流れの一部分であることを確認した。委員達はFFレートの将来の調整時期や規模について、最大雇用と2%インフレ目標に関連し、それまで実現した経済状況や将来の経済状況を評価して判断していくことを確認した。

(賛成)パウエル議長、ジョン・ウィリアムズ、マイケル・ボウマン、ラエル・ブレイナード、ジェームス・ブラード、リチャード・クラリダ、チャールズ・エバンス、ランダル・クォールズ、

(反対)エスサー・ジョージ、エリック・ローゼングレン

 (注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用いただき、適宜、英語の原文をご参照していただきますようお願いいたします。
(上記出所:FRB HP)

米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨
(2019年7月30日・31日開催分)

CMEのFEDwatch(2019年8月21日現在)現在のFFレート2〜2.25%をベースにして:

昨日のFOMC議事録をみて、次回のFOMCで据え置きがわずかながら出てきています。
しかしながら、年内まで見ると、7月利下げ含め最大1%の利下げ(トランプ大統領の要求
幅?)を予想しています。FOMCでは7月末の利下げを予防的とし、今後は改めて経済指標や
見通しをベースに判断していくとしています。若干市場は利下げ前のめりの感が拭えないでい
ます。

今週末のジャクソンホールでのパウエルFRB議長の講演で、以下が焦点になりそうです。
上記の市場利下げ要求を追認していく内容を示すのか。
FOMC議事要旨の経済見通しを踏襲し、先々の利下げは経済状況次第になるのか。
逆イールドカーブがリセッション入りではないとの説明をするのか。
などです。

昨日の為替相場はFOMC議事要旨をあまり材料視しませんでした。2017年以降、ドル円相場は104円60銭〜112円20銭のディセンディングトライアングルを形成しており、大きな流れではその下限に向けて3回目のトライをしている状況にいます(8月12日の底値105円05銭で3回目の可能性もあります)。

このレンジ内の108円20銭〜30銭、110円90銭〜111円の上値抵抗線があります。短期的にある107円20銭〜30銭の抵抗線を上抜けて終わると、戻り高調整の流れに入り、この強い抵抗線のどこまで上値を試せるかとなります。また、トライアングルは通常下抜けが多いパターンですので、週足終値で104円40銭未満になると、新たなドル安を形成します。

ここ数日は106円05銭〜70銭レンジで上下を繰り返しているので、明日のジャクソンホールではこの狭いレンジを抜いた場合、次は104円60銭〜117円20銭レンジがポイントになります。
(2019年8月22日14:00、1ドル=106円44銭、1ユーロ=1.1082ドル)

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