<< 東京市場の動き >>
週明け19日の東京市場は、ドルが小じっかり。上値も重く、終日を通して小動きだったが、日経平均など株高もありドルの底堅さが目についた。
先週末は、香港情勢や貿易問題をめぐり米中の緊張関係継続が確認されたほか、複数の米メディアが「トランプ大統領、株急落で14日に米大手銀3トップと電話会議を実施」などと報じ、思惑を呼ぶなか、週明けの為替市場はオープンした。
早朝の時間外取引から、やや不安定な動きで落ち着かないものの、ドル/円の寄り付きレベルは106.20-25円。前週末のNYより、やや円高水準で取引を開始している。しかし、結局同レベルが日中のドル安値で、その後は小動きながらも底堅い。日経平均のほかアジア株の多くやNYダウ平均の先物などが堅調に推移したことが、ドルの支援要因になっていたという。16時時点では106.40-45円で推移、欧米時間を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「米中情勢」について。
米商務省が「ファーウェイの禁輸猶予を11月まで延長」と発表するなど、貿易面で引き続き駆け引きが観測されるなか、米が台湾にF16戦闘機売却方針を固めた一方、中国は厳重抗議に動くなど、別の視点でも対立関係をうかがわせた。その最たるものは香港情勢で、トランプ氏が初めて「天安門事件」という言葉を用いて中国の行動をけん制した反面、中国は人民日報が「米国などが暴徒を美化している」と反発したことに続き、共産党機関紙、人民日報系の環球時報は社説において、「香港情勢が1989年6月4日の政治事件の再来となることはない」と指摘し、トランプ氏の懸念を完全否定している。
そのほか、単発的なモノとしては、日韓関係の悪化もあってか、日本に関するきな臭いニュース、軍事的な揺さぶりをかけるような報道が目につく。そのひとつは、毎日新聞が報じた「中国軍機、海自艦を標的にした訓練実施の疑い」で、これとは別に海保から「尖閣周辺で中国公船の7日連続航行を確認」との発表も聞かれていた。また、北朝鮮の労働新聞は、解説記事で「拉致問題は日本の無根拠の捏造」などと指摘し批判している。
<< 欧米市場の見通し >>
日本のお盆期間は「薄商い=荒れ模様」の展開が少なくなかったが、相場はようやく落ち着きを取り戻しつつあるようだ。確かに本邦勢の多くはマーケットに戻ってきたものの、海外勢はいまだサマーバカンスをとっている向きも多く、このあとも油断は禁物か。基本は106円台を中心としたレンジ取引が予想されるものの、思わぬ価格変動、乱高下にも一応の注意を払いたい。
材料的に見た場合、「北朝鮮情勢」や「イラン情勢」、「米貿易問題」、「米金融政策」など注目要因が多いなか、台湾や香港ファクターも含めての「米中情勢」が気掛かり。貿易面では目先の危機感がようやく一歩後退した感があったものの、トランプ氏から「天安門事件のように中国当局が武力介入すれば、米中貿易協議での取引も難しくなる」との発言が聞かれるなど、単体の要因ではなく材料が複合的に絡み合う状況となっている。香港情勢などで再び米中双方が一歩も引かず、貿易面に関しても緊迫したムードが強まることを懸念する声は少なくない。
テクニカルに見た場合、やや広めではあるものの、時間足など短期的には105.60-107.00円といったレンジを形成している。乱高下や上下動はあるにせよ、しばらくはそのなかでの一進一退か。ただ、下放れた際には直近安値105.05円をターゲットとした展開が予想される反面、上放れればまずは107.20円レベル、そして107.70円などが意識されそうだ。
一方、材料的に見た場合、本日は目立った米経済指標の発表は予定されていない。また、FRB理事など通貨当局者の講演もとくに予定がなく、そうした意味ではやや動きにくそうな雰囲気。ただし、明日以降に「日米貿易協議閣僚級会合」や「FRB議長のジャクソンホール講演」といった注目材料を控えているだけに、仮に小動きで終わっても嵐の前の静けさであるのかもしれない。
また、ユーロやポンド、あるいは新興国通貨の動きを懸念する声もある。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、105.90-106.80円。ドル高・円安方向は、本日東京高値も近い106円半ばの攻防にまずは注目。上抜けた場合には、直近高値の106.78円や107円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、下値がジワリと切り上がり、本日東京時間のドル安値圏となっていた106.20円レベルが最初のサポート。ただ、割り込んでも下値はかなり堅そうで、106円前後や105円台後半にもテクニカルポイントは少なくない。
ドル円時間足
オーダー/ポジション状況
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