ドル円、底堅く推移するも、イベント前に方向感を見出し辛い展開
海外時間の為替概況
19日の海外市場でドル円は「じり高」推移。@ロス米商務長官が「ファーウェイに対する禁輸措置の執行猶予を11/18まで90日間延長する」と発表したこと、A欧米の主要株価指数が堅調に推移したこと、B米長期金利が上昇したこと、C2年債と10年債の長短金利差逆転現象(リセッション入りを示唆する逆イールド)が解消されたこと等を背景に、ドル円は、米国時間序盤にかけて、高値となる106.69まで上昇しました。しかし、トランプ米大統領による「FRBは100bpの利下げが必要」「幾分かの量的緩和も必要な可能性」との発言や、ロス米商務長官による「FRBの金融政策に起因したドル高政策について非常に気分を害している」との発言が重石となると伸び悩み、結局106.60近辺まで押し戻されてのクローズとなりました。尚、米10年債利回りは先週木曜日(8/15)に付けた1.475%をボトムに切り返し、昨日は一時1.625%まで上昇しております。
一方、ユーロドル相場は終始上値の重い展開。@ユーロ圏・7月消費者物価指数(結果1.0%、予想1.1%)が市場予想を下回ったことや、A独連銀月報にて「ドイツ経済の2四半期連続のマイナス成長の可能性=リセッション入り」が示唆されたこと、Bエストニア中銀ミュラー総裁より「ECBは9月に追加緩和を決定する可能性がある」と報じられたこと、C米長期金利の上昇を背景にドル高圧力が強まったこと等が重石となり、ユーロドルは一時1.1076まで軟化しました。引けにかけて持ち直すも上値は重く、結局1.1080近辺でのクローズとなっております。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は3日連続で陽線を記録するなど、底堅さが目立ち始めしたが、週央以降に予定されている重要イベント(FOMC議事要旨や日米閣僚級通商協議、ジャクソンホール)を前にしたポジション調整に過ぎないと考えられます。一目均衡表基準線が控える107円付近では戻り売り圧力が強まると見られ、ドル円の続伸余地は乏しいでしょう。@ダブルトップからの下放れ(添付チャートの青線)や、A強い売りシグナルを表す「一目均衡表・三役逆転」、Bトレンドの方向性を示唆するボリンジャー・ミッドバンドを13営業日連続で下回っていることなどを考慮すれば、ドル円はテクニカル的に見て、一巡後の下落リスクが警戒されます。
また、ファンダメンタルズ的に見ても、@世界的な貿易戦争が世界的な通貨安戦争(利下げドミノ)に波及するリスクや、A米中貿易摩擦を巡る先行き不透明感の高まり、Bイランやトルコ、朝鮮半島、インドやパキスタンを巡る地政学的リスクの高まり、C英国を巡る合意なき離脱リスクの危険性、D世界経済の不安定化、E香港を巡る緊張の継続、Fドイツ経済のマイナス成長、Gイタリアやアルゼンチンを巡る政局不透明感の高まりなど、ネガティブ材料は山積みです。H追加緩和の手札に乏しい日銀と、9月の大幅追加利下げ(50bp)を織り込みつつある米国との金融政策格差は明らかであり、ドル円にはテクニカル面、ファンダメンタルズ面双方の影響から下落圧力が加わり易い状況が続くと考えられます。
本日も、週央以降の重要イベント(FOMC議事要旨や日米閣僚級通商協議、ジャクソンホール)を前に手控えムードが広がると見られ、ドル円は狭いレンジ内で方向感を見出しづらい時間帯が続きそうです。米中貿易摩擦に絡むヘッドラインや、トランプ米大統領のツイート、米株や米長期金利の動向を睨みながらも、106円台半ばを中心とした「小動き」を予想いたします。(予想レンジ:106.20ー107.00)
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.22
ドル円 値動きそのものは激しいが、結果レンジ内か(11/22夕)
東京市場はドルが小高い。やや激しめの乱高下をたどるなか、最終的にドルは高値引け。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:編集人K
2024.11.22
ドル円154円台前半、本邦CPI高止まり等で一時154円割れ (11/22午前)
22日午前の東京市場でドル円は「往って来い」。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:上村 和弘
2024.11.22
ドル円見通し 21日夜からの反落で一時154円割る、日銀総裁は12月利上げの可能性排除せず(24/11/22)
ドル円は21日深夜には153.90円まで安値を切り下げた。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:上村 和弘
2019.08.20
ドル円見通し 106円中心前後1円幅の持ち合い継続中(8/20)
15日に106円を割り込むところまで下げた後はジリ高推移で19日夜には106.69円まで戻したが107円に届かない状況が続いている。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2019.08.19
ドル円 新規材料乏しく、基本的にはレンジ取引(8/19夕)
週明け19日の東京市場は、ドルが小じっかり。上値も重く、終日を通して小動きだったが、日経平均など株高もありドルの底堅さが目についた。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。