<< 東京市場の動き >>
14日の東京市場は、ドルが小安い。ただ、大きく下落するには至らず、106円台はしっかりと維持されている。
ドル/円は寄り付いた106.70-75円を日中高値にドルが冴えない。株価の動きなどをにらみつつも月半ば、毎年8月半ば近くになって俎上にのぼることの多い需給要因、「大量の米債償還と利払いを受けた円転観測」が今年も噂になっており、本日もドル安・円高に寄与していた面があったという。
ただ、一本調子でドルは下げたわけではなく、なかなかの荒っぽい上下動が観測されており、それを踏まえたうえで16時時点では106.40円前後で推移、欧米時間を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「米中貿易問題」について。
昨日NY早朝、中国商務省が「中国副首相が米USTR代表らと電話会談実施」と発表したことに続き、米USTRが「中国輸入品に対する10%の追加関税の対象品の一部を除外」と指摘したうえで、「関税発動を12月15日まで先送りする」とコメントし、米中貿易戦争への懸念が一気に後退した。
いずれにしても、リスク回避ポジションの巻き戻しから、マイナス圏で推移していたNYダウはプラス圏を回復すると一時500ドル高超まで急反転。ドル/円も105円前半から107円手前まで1.5円を超える急騰を見せた。
また、その後もトランプ米大統領から「中国は米農産品の大量購入に動く可能性がある」との発言、それに対して中国サイドからは「9月の米国との貿易交渉の計画を維持する方針」との指摘が聞かれている。
<< 欧米市場の見通し >>
昨日NYは久しぶりの荒れ相場となった。不意を突かれた格好に加え、薄商いで流動性が低下していたという面はあるにせよ、前述したようにドル/円は短時間で1.5円を超えるドル急騰をたどっている。ともかく、そうした値動きをうけ、市場に広がっていたドルの弱気ムードは一気に萎んだ感を否めないが、逆にドルブル・センチメントが高まったとも言えそうにない。引き続き、要人発言などをにらみつつ、しばらくは105-106円台で落ち着きどころを探る展開を予想する声も少なくないようだ。
材料的に見た場合、「北朝鮮情勢」や「イラン情勢」、「米貿易問題」、「米金融政策」など注目要因が多いなか、それらをひっくるめた「トランプ米大統領の一挙手一投足」が波乱要因として取り沙汰されている。トランプ氏は先週末9日から夏休み入りしているが、SNSを使用した「発言」の頻度はさほど変わっておらず、昨日も含めて平時と何ら変わらない状況だ。引き続きその発言がマーケットの波乱要因になりかねないとして警戒しておく必要がある。
テクニカルに見た場合、結局105円を割り込めないまま107円近くまで一時ドルは小戻してきた。少なくとも、ドルの下値トライは仕切り直しとなった感がある。
それに対するドルの上値メドは、直近高値109.32円を起点とした下げ幅のフィボナッチ38.2%戻しを超えたことで半値戻しにあたる107.20円レベルか。ちなみに、同レベルには一目均衡表の基準線なども位置している。それを超えれば107.40円レベル、107.70円レベルなどがターゲットに。
一方、材料的に見た場合、7月の輸入物価指数など幾つかの米経済指標が発表されるものの、それほど重要視されているものはなく、基本的には影響も限られそう。
また、全体を通しても材料はさほど多くないが、やや気に掛かるのは13-14日の日程で実施されている「日米貿易協定交渉の事務レベル協議」。再三再四指摘しているように、米中協議への進展期待が高まっている状況下、日米についても「来週にも開く閣僚協議を前に妥協点を・・・・・・」などとした期待の声も聞かれている。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、105.80-107.00円。ドル高・円安方向は、昨日記録したドルの戻り高値である107円前後の攻防にまずは注目。上抜けた場合にはフィボナッチを参考にした107.20円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の106.20-25円が最初のサポート。割り込むようだと、再び106円割れをうかがう展開も。とは言え、大崩れのイメージには乏しく、105円後半などではかなり底堅そうだ。
USD/JPY日足
オーダー/ポジション状況
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