<< 東京市場の動き >>
31日の東京市場は、ほぼ横ばい。NY時間に注目材料が予定されていることもあり、108.50-65円といった20ポイントにもとどかないレンジ取引だった。
ドル/円は108.60円前後で寄り付いたものの、積極的な売買は見送られると、終日を通して凪相場。価格変動は20ポイントにもとどかなかった。途中、「米中閣僚級貿易協議が上海で始まった」とのニュースが伝えられるも、具体的な会談内容が報じられなかったことで、影響は極めて限定的なものにとどまっている。16時時点では108.50-55円で推移、欧米時間を迎えていた。
なお、為替市場は全般小動きをたどるなか、豪ドルの動きがやや荒っぽい。当初は昨日の流れを継ぎ下値を試す展開をたどったが、発表された中国経済指標が予想ほど悪化しなかったことが好感され、その後は一転して買い戻しが優勢に。
一方、材料的に注視されていたものは、再開された「米中貿易協議」について。
訪中した米財務長官らは、昨日中国サイドと夕食会を兼ねた会談を行ったが、そこは「軽いジャブ」程度で、本格協議は本31日に持ち越し。そうしたなか、トランプ米大統領から「問題は彼ら(中国)が約束を守らないこと」、「中国との協議は、最終的に自分たちの都利益のために取引が変更される」などといった強力なメッセージが発せられ話題に。そののち、本日東京時間の昼前から4時間ほどの本格的な協議が実施されたようだが、本稿執筆段階で、これといった発表はとくに聞かれていない。
そのほか単発モノとしては、とくに目新しい内容ではなかったものの、ジョンソン英首相が「10月末に是が非でも離脱」と再表明したことが嫌気され、ポンドの上値抑制要因になっていたようだ。また、本日早朝、北朝鮮が25日に次ぐ2度目の「飛翔体発射」を実施したもようで、商いの薄い時間帯だけに一時騒然となった。
<< 欧米市場の見通し >>
先週末からの4日ほどは、108.40-109.00円といったレンジ取引をたどっている。本日の東京時間には注目の「米中閣僚級貿易協議」が実施されたものの、関連する報道などが伝えられないこともあり値動きも限定的。レンジを脱することは出来なかった。いずれにしても、まずは上記レンジをめぐる攻防に注目で、上抜ければ109円半ばがターゲットとなる反面、下放れれば複数サポートが位置する108.00-20円が意識されそうだ。
材料的に見た場合、「北朝鮮情勢」や「イラン情勢」のほか「米貿易問題」、「米金融政策」などが注目要因は依然として多い。ただ、本日はNY時間にFOMCによる金融政策の発表ならびにパウエルFRB議長の記者会見が実施される見込みであり、「米金融政策」がとくに要注意だ。市場では「0.25%の利下げ」見通しが依然として有力ながら、トランプ氏が「大幅な利下げ」を求める発言を繰り返すなど圧力も強く予断は許さない。「0.25%」or「0.5%」、いずれの利下げ幅となっても発表前後の金融市場は荒っぽい変動をたどる可能性がある。
テクニカルに見た場合、短期的には108.40-109.00円といったレンジを形成、方向性が乏しい状況だ。また少し長めのスパン、「今月」で考えても、107.21-108.99円の1.8円レンジに過ぎない。なお、後者については先日レポートしたように、本日このまま終了すれば「今年2番目の月間小変動」ということになる。
ともかく、まずはレンジ放れの有無が注目され、上方向に放れた方がチャート的には興味深いのだが、経験則を参考にした「8月は円高有利」説なども取り沙汰されていた。
一方、材料的に見た場合、7月のADP雇用統計や同シカゴ購買部協会景気指数という複数の米経済指標が発表される予定となっている。その後のFOMCを前にした「露払い」的な意味合いもあり、内容には注意を払いたい。
そのほかでは、本日はなんといってもFOMCに注目だが、ここまで伝えられていないすでに終了している「米中閣僚級貿易協議」の結果などに関する発表も気掛かりだ。それを受けて、相場が一時的に乱高下する展開を指摘する声も聞かれていた。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.00-109.20円。ドル高・円安方向は、直近高値を含めた109円レベルをめぐる攻防にまずは注視。抜ければ移動平均の75日線が位置する109.15円前後、一目均衡表の先行帯の雲の上限が位置する109円半ばがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、時間足などで見た場合、今週2度下げ止まっている108.40-45円が最初のサポート。割り込むようだと108円を目指すが、下方向のサポートも多く、なかなか底堅いのかもしれない。
USD/JPY日足
オーダー/ポジション状況
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