ドル円週報 FOMCなど注目材料多い、波乱の予感も(週報7月第5週)

先週のドル円は、ドルがしっかり。値幅そのものは限られたが、「週初安・週末高」の展開で、ドルの強さが目につく結果となった。

ドル円週報 FOMCなど注目材料多い、波乱の予感も(週報7月第5週)

<< 先週の回顧 >>

先週のドル円は、ドルがしっかり。値幅そのものは限られたが、「週初安・週末高」の展開で、ドルの強さが目につく結果となった。

前週末には、米紙WSJが7月FOMCでの米利下げについて「0.25%を検討」などと指摘、注目の日本とウクライナの選挙結果(前者が「自公連立で改選過半数を獲得」、後者は「大統領新党が第1党に躍進」)が注視されるなか、週明けの為替市場は寄り付いた。
ドル円は107.70-75円と、前週末NYクローズと大差ないレベルでオープンしたものの、結果として同レベルが週間を通したドルの最安値圏に。週末にかけてドルはじり高をたどると108.80円台まで上昇、108.99円の月間高値まであと一歩と迫る局面も観測されている。週末NYも結局そのまま週間を通したドルの最高値圏を維持、108.70円前後で取引を終えて越週となった。

一方、週間を通して注目された材料は「米金融政策」と、久しぶりの「北朝鮮情勢」について。
前者は、トランプ米大統領やシェルトンFRB理事候補から「月末の米利下げ催促」発言が聞かれたものの、市場は総じて良好な米経済指標などを受け、当初見込まれていた「0.5%利下げ」観測が後退。逆に「0.25%利下げ」見通しにシフトした向きが増えた格好で、それが週間を通してドルの買い要因のひとつに。対して後者は、25日早朝に突然「北朝鮮が2発の飛翔体を発射した」とのニュースが飛び込んできた。河野外相とポンペオ米国務長官が電話会談を行うなど、各国が対応に追われるなかトランプ氏が「不問に処する」考えを示しただけでなく、「交渉の継続」を望んだことで、為替市場におけるリスク回避の動きなど影響は限定的にとどまっている。

そのほか単発モノとして、大方の事前予想通り、英保守党党首に離脱強硬派のジョンソン氏が選出され、就任会見では「10月末のEU離脱」を改めて約束したことが、思惑を呼んでいた。
一方、米国ファクターでは、米中貿易問題について「USTR代表ら米高官が北京を訪問、29日に協議を再開する」ことが決定したほか、懸案事項だった「米債務上限問題」が一応の解決をみており、不安要因のひとつが解消されている。

<< 今週の見通し >>

ドル円相場は先週、過去10日間程度のレンジ上限108.30-40円のみならず、12日高値108.61円も突破してきた。リスクという意味ではドル高方向にバイアスが掛かりそうだが、10日に記録した7月の月間高値108.99円はいまだ超えられていないことがやや気掛かり。とは言え、7月の月間変動幅がここまでわずか1.8円、今年2番目の小変動にとどまっているだけに、月内に108.99円突破への期待感は根強いものがありそうだ。しっかり超えていけば、週間を通して109円半ばから後半に位置する日足・一目均衡表の先行帯の雲の上限がターゲットに。

材料的に見た場合、「北朝鮮情勢」や「イラン情勢」のほか「米貿易問題」、「米金融政策」などが依然として注視されている。そのいずれも大事だが、特にとなると、30-31日にFOMCを控えていることで「米金融政策」と、同じ日程30-31日に上海で閣僚級協議が実施される「米貿易問題」にも注意を払いたい。また、前者と絡めたものとして、29-30日に予定されている「日銀の金融政策決定会合」も注視されている。先行きの緩和強化に対する強いメッセージなどが示されれば、日米金利差拡大観測が強まる可能性もありそうだ。

テクニカルに見た場合、長い目で見れば依然としてレンジ内だが、短期的な抵抗を次々と上抜け、先週末には108.80円台まで上昇してきた。次の抵抗は月間高値の108.99円で、超えれば109円半ばから後半、そして110円レベルなどとなる。
それに対するドルのサポートは、先週末にかけて上抜けた日足・一目均衡表の先行帯の雲の下限。週末にかけ108円前後までレベルを切り下げるなか、再び下回るのか否かが注視されている。

一方、材料的に見た場合、7月のダラス連銀製造業活動指数や同雇用統計といった重要な米経済指標が発表される予定となっている。開催されるFOMCとの兼ね合いによるが、指標が好数字となった場合には、「利下げ打ち止め」観測が台頭する可能性も否定出来ないだろう。その場合、市場はドル買いで反応か。
また、先で指摘した「日銀の金融政策決定会合」や「米中閣僚級貿易協議」、そのほか「日米貿易協議」なども気掛かりだ。

そんな今週のドル円予想レンジは、107.30-109.80円。ドル高・円安については、先週高値の108.80-85円ならびに月間高値108.99円の攻防にまずは注視。超えると、109円半ばがひとつのメドとなるうえ、110円に接近する局面があっても不思議はないだろう。
対するドル安・円高方向は、これまで抵抗として寄与してきた108.30-40円が今度はサポートに。割り込むと107.90-00円、107円半ばなどが意識されそうだ。

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る