<< 東京市場の動き >>
26日の東京市場は、ドルは強保ち合い。前日記録したドルの戻り高値、108円半ばから後半での一進一退をたどっている。
ドル円は108.60円前後で寄り付いたものの、本日も積極的な売買は見送られた。先物取引を含め日米株価が弱含みとなった反面、米金利は上昇し、影響は相殺されている。108.55-75円というレンジ取引をたどるなか、16時時点では108.60-65円で推移、欧米時間を迎えていた。
なお、値動きそのものは限定的だったがトルコリラが小じっかり。対円では19円台で底堅い。昨日欧米時間にトルコ中銀が425BPもの利下げに動き、一時リラは急落したものの、足もとは下落する以前よりも高いレベルで、利下げの影響は完全に織り込まれた感もある。
一方、材料的に注視されていたものは、引き続き「北朝鮮情勢」について。
昨日早朝の「北朝鮮が2発の飛翔体発射」について、米国は不問の姿勢。むしろ、米国務長官から「米国は依然として北朝鮮との交渉を望む」などとした対話重視の姿勢が示されている。そうしたなか、朝鮮中央通信は「北朝鮮の金委員長がミサイル発射を指導した」と報じたうえで、韓国による合同軍事演習などの動きを「二重的振る舞い」と呼んで批判、ミサイル発射の元凶といった考えを示唆していた。なお、一連の北朝鮮情勢を受け、河野外相とポンペオ米国務長官が電話会談を行ったという。
そのほか単発モノとしては、ECBが「追加利下げや資産購入の再開を検討する方針」などとし利下げの方針を示したことに加え、英新首相とユンケル欧州委員長が電話会談実施したが離脱問題ではともに主張を譲らず、話はまとまらなかった様子。下院でサンチェス首相の再任を否決したスペイン情勢などを含めた幾つかの「欧州ファクター」も話題に。また、共同通信が日本政府は韓国の「優遇措置除外」について「8月2日にも閣議決定する方針、下旬にも除外」などと報じ、こちらも思惑を呼んでいた。
<< 欧米市場の見通し >>
ドルは、過去10日間程度のレンジ上限108.30-40円のみならず、12日高値108.61円も突破してきた。ただ、10日に記録した今月高値108.99円はまだ超えられておらず、長い目で見れば依然としてレンジ内。基本的にはドル高リスクだが、まだ一抹の不安も残っている。とは言え、昨日レポートした、7月の月間変動幅がわずか1.8円ほどにとどまっている現状打破への期待も込め、108.99円突破への期待感は強いものがあるようだ。このあとの欧米時間、109円をめぐる攻防に注視したい。
材料的に見た場合、「北朝鮮情勢」や「イラン情勢」のほか「米貿易問題」、「米金融政策」などが依然として注目されており、そのいずれもがなかなか大事な局面を迎えている。ただ、本日はNY時間に4-6月の米GDP速報値の発表を控えていることで、「米金融政策」にもっとも要注意か。発表される数字如何ではドルが一時的にせよ買い進まれる可能性もあるだろう。
テクニカルに見た場合、短期の小さいレンジは上抜けたものの、108.99円を上限とした大きなレンジのなかにはとどまっている。動静を読みにくく難しい局面だ。勢いからすると、このあとの欧米時間に108.99円を超えていく公算が大きいと予想されるが、そのままイケイケドンドンでドル高が進行すると見る向きはさほど多くない。むしろ、昨年からの相場の特徴としてよくみられる「ダマシ」、レンジを少し広げただけにとどまり、再び108円台に回帰する展開を警戒する声も聞かれていた。
一方、材料的に見た場合、4-6月期のGDP速報といった米経済指標が発表される予定となっているほか、日米貿易実務者協議の最終日で議論の行方を注視したい。
ちなみに、後者と関連するものとして、昨日の日本農業新聞に続き本日のロイターも「茂木再生相とライトハイザーUSTR代表による閣僚級協議、ワシントンで8月1日に実施で調整」などと報じている。主に農産物や自動車などで、次回の閣僚級協議に繋がる妥協点が見いだせるのか注目だ。
そんな本日欧米時間のドル円予想レンジは、108.20-109.10円。ドル高・円安方向は、昨日高値の108.75円レベルの攻防が注視されており、抜ければ月間高値108.99円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日まで短期的な抵抗だった108.30-40円が最初のサポート。ただ、割り込んでも108円以下は相当に堅そうで、下値は限られる見込みだ。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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