【概況】
7月10日高値108.98円から7月19日朝安値107.19円まで下げた後は揺れ返しの上昇に入った。7月24日午前高値108.28円から24日深夜安値107.94円まで若干下げたものの108円台序盤での小持ち合いに止まり、25日夜は米耐久財受注好調等をきっかけに24日午前高値を上抜く一段高となり、26日未明には108.75円まで上昇して7月10日高値に迫った。
7月10日からの下落は、米連銀パウエル議長の下院議会証言による利下げ期待の高まりによるものだったが、19日以降は0.25%利下げを織り込んでそれ以上の過剰な期待が後退したために揺れ返し、議長証言水準までイッテコイとなった状況と言える。
7月25日夜に米商務省が発表した6月の耐久財受注は前月比2.0%増となり市場予想の0.7%増を大きく上回った。米労働省が発表した週間新規失業保険申請件数も季節調整済みで20万6000件となり前週比1万件の減少で市場予想の21万9000件を下回る良好さだった。これらは米連銀の積極的な利下げ姿勢を後退させるとしてドル高円安要因となった。
しかし26日には米4-6月期GDPの発表も控えている。市場予想では前期の3.1%から1.8%へ鈍化すると見込まれているため、予想通りに悪いか予想を下回る場合は25日夜とは逆の反応となる可能性も考えておく必要があると思われる。
【ECBは追加利下げ姿勢、世界的な金融緩和への回帰感強まる】
7月25日夜には欧州中央銀行(ECB)の定例理事会があり、政策金利は現状維持とされたが、金融政策の指針(フォワードガイダンス)において今後の金利水準を「現行もしくはより低い」と明記した。ECBは2017年6月に利下げの打ち止め姿勢を示すために「より低い」との文言を削除したが、今回はこれを約2年ぶりに復活させたことで9月理事会での追加利下げの可能性が強まった。ただドラギECB総裁がその後の会見で欧州が景気後退入りする可能性は「極めて低い」としたため、市場の受け止め方もやや混乱して当初はユーロ安、直後に急騰、深夜から再び反落と乱高下した。米耐久財受注等を強気したドル高もあって25日夜の急騰一巡でユーロ安再開に入っている印象もある。
ECBの政策姿勢は金融引き締めへのプロセスから緩和姿勢へ回帰する流れであり、米連銀の「予防的利下げ」姿勢も含め世界全般が緩和的なスタンスへと回帰してゆく流れを作り出していると思われる。欧米長期債利回りの低下傾向とそれに同調する日本長期債利回りの益々の低下傾向も続きやすくなってきている印象だ。
【60分足一目均衡表・サイクル分析】
概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、7月19日朝安値を直近のサイクルボトムとして反騰したが、7月17日未明高値から5日目となる24日未明高値で前回のサイクルトップを付けていったん弱気サイクルに入った。ボトム形成期は24日朝から26日朝にかけての間と想定されたが、25日夜の一段高により24日深夜安値を直近のサイクルボトムとして新たな強気サイクル入りしたと思われる。新たなトップ形成期は27日未明から31日午前にかけての間と想定されるが、26日夜の米GDP発表からの反応次第でサイクルトップ形成を短縮して弱気転換する可能性もある。108.50円以上での推移中は高値試し優先とするが、108.50円割れから続落の場合は弱気転換注意とし、108.25円割れからは弱気サイクル入りと仮定して29日深夜から31日深夜にかけての間への下落を想定する。
60分足の一目均衡表では25日夜の一段高により遅行スパンが好転、先行スパンを大きく上回ってきている。このため遅行スパン好転中は高値試し優先とするが、新たな高値更新へ進めなくなると遅行スパンは悪化しやすくなるので、遅行スパン悪化からは弱気転換注意とし、先行スパン転落からは弱気サイクル入りとして遅行スパン悪化中の安値試し優先としてゆく。
60分足の相対力指数は25日夜の急伸で80ポイントまで急騰した。新たな高値更新に際して指数のピークが切り下がる場合は弱気逆行となる可能性があると注意する。60ポイント以上での推移中は高値更新余地ありとするが、60ポイント割れからは下げ再開を疑う。
以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、108.50円を下値支持線、7月10日高値108.98円を上値抵抗線とする。
(2)108.50円を上回る内は上昇余地ありとし、26日未明高値108.75円超えからは108.98円試しとする。109円手前では売られやすいとみるが、109円超えからは109.20円台まで上値目処を引き上げる。また109円手前へ続伸した後に108.70円を割り込むところからは下げ再開を疑う。
(3)108.50円割れからは弱気転換警戒として108.25円前後への下落を想定する。108.25円割れからは弱気サイクル入りと仮定して当初は108円前後への下落を想定する。また108.35円以下での推移なら週明けも安値を試しやすいとみる。
【当面の主な予定】
7/26(金)
21:30 (米) 4-6月期 GDP、速報値 前期比年率 (前期 3.1%、予想 1.8%)
21:30 (米) 4-6月期 個人消費・速報値 前期比 (前期 0.9%、予想 4.0%)
21:30 (米) 4-6月期 コアPCE・速報値 前期比 (前期 1.2%)
オーダー/ポジション状況
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