ドル円、良好な米経済指標を背景に急伸。
海外時間の為替概況
25日の海外市場でドル円は急伸。@米6月耐久財受注(結果2.0%、予想0.7%)や、A同コア受注(結果1.2%、予想0.2%)、B米新規失業保険申請件数(結果20.6万件、予想21.8万件)が軒並み良好な結果となったことで、月末・FOMCでの大幅利下げ観測が後退し、米長期金利上昇→ドル買いの流れに弾みがつきました。C中国商務省より、来週7/30-7/31に上海で米中通商協議を再開すると表明されたことも、リスク回避ムードの後退を通じてドル円をサポート。NY時間午後には、一時108.75まで急伸するなど、7/10以来、約2週間ぶり高値を記録しております。
一方、ユーロドルは乱高下。ECB理事会では、政策金利(0.00%)、中銀預金金利(▲0.40%)、限界貸出金利(0.25%)が全て据え置かれる結果となりました。一部でサプライズ利下げを予想する向きもあったことから、直後は「ユーロ買い」の動きが強まりましたが、声明文にて「長期的に低金利を継続する姿勢」や「金利の階層化」、「新たな資産買い入れ」の検討が示されると、市場では「ハト派的」と受け止められ、「欧州債利回りの低下(※ドイツ10年債利回りが過去最低水準を更新)→ユーロ売り」の経路で、2017年5月以来、約2年2ヶ月ぶり安値となる1.1102まで下げ幅を広げました。もっとも、心理的節目1.11割れが阻まれると、その後は、ショートカバー主導で急反発。ドラギECB総裁より、「依然として強い経済の兆候が見られる」「利下げや資産買い入れについて本日は議論しなかった」との発言が報じられると、一時1.1187まで急伸する場面も見られました。NY時間午後にかけては、米長期金利の上昇に伴うドル買いが重石となり、本稿執筆時点(日本時間3:45)では、1.1150付近での推移となっております。ECB理事会を経て乱高下するも結局方向感を見出すには至りませんでした。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は、一目均衡表基準線(107.88)や、一目均衡表転換線(107.90)、ボリンジャー・ミッドバンド(108.10)に下支えされると、良好な米経済指標をトリガーに、108.04から108.73まで急伸しました。一目均衡表雲下限(108.80)付近でひとまず伸び悩む動きとなりましたが、本日以降、一目均衡表「雲」が垂れ下がってくることを考慮すれば、ドル円の雲下限上抜け(雲の中への突入)は時間の問題と考えられます。過度に織り込まれた米大幅利下げ観測の修正→米長期金利上昇→ドル買いの流れはもう一段続くと見られ、テクニカル的にもファンダメンタルズ的にも「続伸リスク」に警戒が必要でしょう。とはいえ、月末にかけて最重要イベントとなる米FOMC(米連邦公開市場委員会)と、米中通商協議を控えていることから、ここからどんどん上値を追っていく動きも想定できません。本日発表される米第2四半期GDP速報が例え強い結果となったとしても、ドル円の109円乗せは容易では無さそうです。ドル円の続伸を想定しつつも、上昇速度は緩やかなものに留まると予想いたします。(予想レンジ:108.30ー109.00)
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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