<< 東京市場の動き >>
25日の東京市場は、2日続けての横ばい推移。本日も、値動きは20ポイントに届かず、依然として方向性は乏しかった。
ドル円は108.10-15円で寄り付いたものの、積極的な売買は見送られている。安倍首相が昨日から1週間弱の夏休みに入ったが、マーケット参加者の多くがサマーバカンスを取り始めたようで、材料が全くないというわけではないものの、市場は「夏枯れ」の様相だった。108.05-25円という狭いレンジ取引をたどるなか、16時時点では108.10-15円で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、値動きそのものは限られたものの、豪ドルが対円などで一時急落。豪中銀総裁から「先行きの緩和強化に前向き発言」が聞かれ、それが嫌気されていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「北朝鮮情勢」について。
本日早朝、突然「北朝鮮が2発の飛翔体を発射した」とのニュースが飛び込んできた。その後、日本の政府関係者から「ミサイルは排他的経済水域(EEZ)には届かなかった」との発言があり、各国からミサイル発射を批判するコメントが相次いだ。また、ミサイル発射をめぐり、外務省の金杉アジア大洋州局長などの日米、あるいは日韓の担当者が電話協議をしたことも明らかになっている。なお、「北朝鮮が米韓演習に反発、韓国のコメ5万トンを受け取り拒否」、「北朝鮮外相がASEAN地域フォーラムに不参加の意向」といったニュースも報道され、それらもミサイル発射との関連が取り沙汰されていた。
そのほか単発モノとしては、先日「ロシア機が竹島上空で領空侵犯」したことに続き、今度は「ロシアのメドベージェフ首相が8月に北方領土の択捉島の訪問を計画」と報じられ、日本への揺さぶりが顕著に。
一方、WTOを舞台とした日韓担当者による輸出管理強化に関する論争は互角だったもよう。ただ、ロイターは「いずれの国も、日本と韓国のどちらかの立場も支持しなかった」としたうえで、「韓国、WTOで支持の取り付け失敗」などと報じていた。また、就任前からわかっていたことだが、英国の新首相に就任したジョンソン氏が会見で改めて「10月末のEU離脱を約束」したことも、思惑を呼んでいたようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル円は極めて狭いレンジ内での揉み合いとなっている。7月も残り1週間となったが、月初からここまでの変動幅は107.21-108.99円で、わずか1.8円ほど。仮に、このままで今月が終了すると、前月の変動(月間2.02円)を下回り、4月に続く今年2番目の小変動ということになりそうだ。ただ、このあと月末にかけて材料が少なくないだけに、どこかでレンジ放れを試す展開には一応期待しておきたい。
材料的に見た場合、「北朝鮮情勢」や「イラン情勢」のほか「米貿易問題」、「米金融政策」などが注視されてきたが、そのなかでも若干優先順位の低かった「北朝鮮情勢」について、本日に突然注目度が増してきた。このあとの米欧諸国による反応、関連発言には一応要注意。また、24日から日米事務レベル協議が実施されているうえに、今月末30日から米中閣僚級協議の再開が決定したことでの「米貿易問題」なども気に掛かる。
テクニカルに見た場合、前述したように月初から107.21-108.99円というレンジのなかでの推移だが、今週だけと期間を狭めれば、形成レンジは107.60-108.30円にしか過ぎず、1円も動いていないことがみてとれる。まずは、1円にも満たない今週のレンジを、どのタイミングで、どちらの方向に抜けていくのかを注視したい。短期のレンジを抜けた場合には、その方向性によって107.21円ないしは108.99円がターゲットに。
一方、材料的に見た場合、6月の耐久財受注や7月のカンザスシティ連銀製造業活動指数といった米経済指標が発表される予定となっているほか、米財務省による7年債の入札なども実施される見込みだ。
総じて米国ファクターが多いものの、本日はECB理事会ならびにドラギ総裁の会見が実施されることを受けた「欧州ファクター」にも注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル円予想レンジは、107.70-108.50円。ドル高・円安方向は、本日東京高値を含む108.25-30円の攻防にまずは注視。上抜ければ108.61円、108.99円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、時間足など短期のチャートを見ると一目瞭然なように108円以下が相当に堅い。昨日欧米時間の108円割れもワンタッチにとどまり、スグに108円台へと回帰している。ドルの下値は限定的か。
オーダー/ポジション状況
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