米金融政策注視、指標内容などに一喜一憂も(週報7月第4週)

先週のドル/円は、上下ともに振れたが最終的には決め手に欠けた。結局、週末は週初の寄り付きに近いレベルで大引ける、「行って来い」となっている。

米金融政策注視、指標内容などに一喜一憂も(週報7月第4週)

<< 先週の回顧 >>

先週のドル/円は、上下ともに振れたが最終的には決め手に欠けた。結局、週末は週初の寄り付きに近いレベルで大引ける、「行って来い」となっている。

前週末には、日米の次官級担当者が意見交換を実施、「24-26日に貿易事務協議実施へ最終調整する」ことで合意したほか、トランプ米大統領が「米不法移民を14日に一斉摘発する」と発言し動静が注視されるなか、週明けの為替市場は寄り付いた。
しかし、週明け15日には東京市場が休場になることもあってか、週末のニュースの影響は軽微。前週末のNYクローズと大差ない107.85円前後で取引が開始している。そののち108.35-40円まで値を上げるも続かず、1円以上の反落をたどると、週間安値の107.21円へ。ただ、ドルの下値も堅く下げ渋ると、週末NYは週初オープンレベルに近い107.70円台まで小戻して越週となった。

一方、週間を通して注目された材料は、前週に続き「米金融政策」について。
ここ最近はFRB議長を中心とした「弱気な発言」vs「強い米経済指標」といった構図をたどるなか、先週も発表された米経済指標ならびに、要人発言に一喜一憂する展開。米指標は週間を通して総じて良好だったが、米地区連銀経済報告に記された「数ヵ月先の米景気は貿易摩擦への懸念が広がる」との見解、FRB副議長による「経済を持続させるため適切な行動をとる」、NY連銀総裁から「経済に問題が生じる兆候を見つけたら迅速に行動すべき」−−との発言が聞かれるなど、最終的には要人の弱気発言に相場も押し切れられた感を否めない。

そのほか単発モノとして、米中あるいは日米の貿易問題も折につけ話題に。前者はトランプ米大統領が交渉の長期化を示唆したうえで、「わたしが望めば中国に追加関税かけることは可能」と改めて譲歩を迫ったことが思惑を呼んでいたほか、後者はロイターによる「日米、9月までの小規模な貿易合意の可能性」が市場の期待感を煽っていたようだ。また、トランプ氏が発した「ホルムズ海峡でイラン無人機を撃墜した」や、「米財務省が追加制裁発表」に代表されるイラン情勢懸念、ならびに落し所がいまだ見いだせないドロ沼化する日韓情勢なども週間を通して注視されていた感がある。

<< 今週の見通し >>

先週のザラ場ベースで、なかなか強いドルのサポート107円半ばを割り込んだ際には下値リスクが高まった感があったものの、結局続かず。下値は107.21円までで、週末にかけてはむしろドルの買い戻しが優勢だった。予断は許さないが、ドルのレンジ下限割れは「ダマシ」で、いましばらくのあいだレンジ取引を続ける可能性も否定出来ない。108円挟み、107円半ばから108円半ばをコアとした一進一退で、次の方向性を探る展開か。
材料的に見た場合、「北朝鮮情勢」や「イラン情勢」のほか「米貿易問題」、「米金融政策」−−などの継続案件に加え、先週末にかけて「トルコ情勢」や「米債務上限問題」などが新たに注目され始めた。とくに後者は、9月にも資金枯渇が指摘されるなか、先週末にかけてペロシ米下院議長が「25日までに関連法案を提出したい」と発言しており、議会の動静に注目だ。また、前段で取り上げた4案件のなかでは、30-31日の米FOMCを前にした「米金融政策」に今週ももっとも注意を払いたい。「7月利下げは0.25%なのか、0.5%なのか」、あるいは「7月以降の利下げ有無について」−−を見極めたいとの向きは少なくない。

テクニカルに見た場合、短期のサポート107.80円レベルに続き7月安値の107.53円、そして107.30円レベルと、下方向のサポートを次々下回ったものの、週末のNYクローズは107.70円台。それほどドル安基調が強い、とも言えないようだ。ただ、107円を割り込めば、6月安値106.78円が視界内に捉えられかねないだろう。
それに対するドルの抵抗は、週末にかけて108円半ばまでレベルを切り下げてくる一目均衡表の先行帯の雲の下限か。

一方、材料的に見た場合、6月のシカゴ連銀全米活動指数や、7月のリッチモンド連銀製造業指数、4-6月期のGDP速報値といった米経済指標が発表される予定となっており、引き続き市場の注目度は高い。良好な内容であれば、ドルの支援要因に。
また、21日に実施された日本の参院選の結果、米企業決算による発表、24日から実施される日米貿易実務者協議の行方なども気掛かりだ。

そんな今週のドル/円予想レンジは、106.60-108.80円。ドル高・円安については、108.10円レベルに位置する一目均衡表の転換線をめぐる攻防にまずは注視。超えると、週末にかけて108円半ばまでレベルを切り下げる同・先行帯の雲の下限や、10日高値108.99円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、先週安値107.21円が最初のサポートで、割り込むようだと107円割れも。6月安値106.78円が意識されそうだ。(了)

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