リスクはドル安方向か、上値重く戻りも鈍い(7/19夕)

19日の東京市場は、ドルがしっかり。値幅そのものは決して大きくなかったが、「寄り付き安・大引け高」に近い展開で、値動き以上にドルの強さが目についた。

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リスクはドル安方向か、上値重く戻りも鈍い(7/19夕)

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19日の東京市場は、ドルがしっかり。値幅そのものは決して大きくなかったが、「寄り付き安・大引け高」に近い展開で、値動き以上にドルの強さが目についた。

東京市場は107.25円前後で寄り付いたのち、日中安値の107.20円レベルを記録。その後は一貫してドル高・円安の展開となり、夕方にかけては107.70円レベルまでじりじりと上値を伸ばしている。時間外で取引されている米株先物が堅調に推移したほか、日経平均株価が大幅反発、前日比420円高となったことなどが好感されていた。16時時点では107.65-70円で推移、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、前日に続き「米金融政策」について。
発表された米経済指標は再び良好で、「7月の米利下げ」説を揺るがしたものの、FRB副議長が「経済を持続させるため適切な行動をとる」、NY連銀総裁からも「経済に問題が生じる兆候を見つけたら迅速に行動すべき」との発言が聞かれ、流れが一変した。なお、後者については、NY連銀担当者による「総裁の発言は政策行動の可能性に関するものでない」との火消し発言がそののち観測されている。
そのほか単発モノとしては、トランプ米大統領が発した「ホルムズ海峡でイラン無人機を撃墜した」や、「米財務省が追加制裁発表」に代表されるイラン情勢懸念。ブルームバーグのインタビューに応じたムニューシン米財務長官の発言「将来に検討することはあり得る問題だが、現時点でドル政策に変更はない」などが話題となっていた。また、本日午前にUSTR代表など米国側と中国当局者が電話協議を実施したとされ、そちらも思惑を呼ぶ格好に。

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16日には108.40円近くまで上昇し直近高値を更新したものの続かず。むしろ、本日東京時間には一時107.20円レベルと、目先高値から1円以上下落する局面も観測されていた。チャートを素直にみれば、107円半ばを下限としたレンジを下放れてきた感も否めないものの、その後の値動きを考慮すると再三再四レポートしている昨年来のドル円相場で数多くみられる「ダマシ」の可能性もまだ残されている。動静をいま少し見極めたいところだ。

材料的に見た場合、引き続き「北朝鮮情勢」や「イラン情勢」のほか「米貿易問題」、「米金融政策」などへの関心が高いなか、目先的には「米金融政策」ならびに、ここ最近新たに加わった「米債務上限問題」に注意を払いたい。前者については、本日も発表される米経済指標ならびに当局者の発言が要注意であるほか、後者はペロシ米下院議長が先日発言した「今週末19日までに政権との合意が必要」の期限にあたることが気掛かり。協議進展に向けて何か動きがあるのだろうか。

テクニカルに見た場合、過去1週間程度にわたりドルの下値を支えてきた107.80円レベルに続き7月安値の107.53円、そして107.30円レベルと、下方向のサポートを次々下回る展開となっている。基本的なリスクはドル安方向にバイアスか。107円を割り込めば、6月安値106.78円が視界内に。
ただ、一本調子のドル続落には疑問を抱く向きもあり、一時的な反発も否定出来ない。その場合には移動平均の25日線のほか、一目均衡表の基準線なども位置する107円後半から108円レベルが取り敢えずのターゲット。

一方、材料的に見た場合、7月の米ミシガン大学消費者信頼感指数速報が発表されるほか、ブラード・セントルイス連銀総裁による年次会合でのプレゼンなど、通貨当局者による発言機会も複数見込まれている。いまだ、FRBの次の一手について見方がわかれている面もあるだけに、引き続き発表される米経済指標や要人発言によって一喜一憂、乱高下する可能性もありそうだ。

そんな本日欧米時間のドル円予想レンジは、107.10-108.00円。ドル高・円安方向は、東京高値である107.70円レベルが最初の抵抗。上抜ければ移動平均など複数のテクニカルポイントが集中する108円前後を目指す。
対するドル安・円高方向は、目先何度が試すも割り込めなかった107.20円レベルの攻防にまずは注視。割り込めば次のターゲットは107円、そして6月安値106.78円などとなる。

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