ドル円レンジ内で米金融政策にらみが続く可能性も(7/16夕)

先週のドル/円は、ドルが冴えない。週のザラ場ベースでは、一時109円近くまで上昇し戻り高値を更新したが続かなかった。

ドル円レンジ内で米金融政策にらみが続く可能性も(7/16夕)

<< 東京市場の動き >>

週明け15日の東京市場は、ドルが小高い。先週末には107円台に軟落したが、本日アジア時間に再び108円台を回復する局面も観測されている。

先週末には、日米の次官級担当者が意見交換を実施、「24-26日に貿易事務協議実施へ最終調整する」ことで合意したほか、トランプ米大統領が「米不法移民を14日に一斉摘発する」と発言し動静が注視されるなか、週明けの為替市場は寄り付いた。
しかし、東京市場が休場になることもあってか、早朝から積極的な売買手控えムード。オープンは先週末のNYクローズと大差ない107.85円で取引が開始したのち、しばらくは揉み合いに。ただ、発表された複数の中国経済指標がこぞって予想を上回る内容となったことを材料に、結果として円売りがかさむとドル/円は108円台を回復。その後は伸び悩むも底堅い値動きから、16時時点では107.90-95円で推移、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、幾つかの「日米問題」について。
貿易については、前述したように「日米次官級担当者、24-26日に貿易事務協議実施へ最終調整」とされたうえ、安保関連では、来日中のスティルウェル米国務次官補が会見し、「日米関係は周りの状況の変化に適応していかなければならない」と述べたことが駐留経費増額を暗に要求したと捉えられ、思惑を呼ぶ格好に。また、ドロ沼化する日本による対韓輸出管理問題について、韓国が仲裁役として期待をかける米国だが、一部韓国メディアは「駐韓米大使が2国間に介入すべきではない」と発言するなど関与に消極的だったと報じている。

そのほか単発モノとしては、「週末13日夜にNYで大停電が発生」し一時7万人超が影響受ける結果に。以前に「トランプ氏は無能」と酷評した英国の前駐米大使が、今度は「米の核合意離脱はオバマ氏への嫌がらせ」とするメモを本国へ送付したとされ、こちらも話題となっていた。また、英独仏が「ペルシャ湾に深刻な問題に直面」とする共同声明を発表したイラン情勢への懸念も依然として強い。

<< 欧米市場の見通し >>

ドルは先週末にかけて2度の107円台を示現するも、大崩れはせずに底堅い印象。実際、2度とも107.80-85円でドルは下げ止まっている。リスクという点では下方向にバイアスがかかるものの、果たしてそうした短期のサポートを割り込めるか否かが目先のポイントに。ちなみに、割り込めば3日安値の107円半ば、そして107.30円などがターゲット。対してドルの抵抗は108.25円レベル、あるいは108.61円などになる。

材料的に見た場合、引き続き「北朝鮮情勢」や「イラン情勢」のほか「米貿易問題」、「米金融政策」などへの関心が高いものの、どれも喫緊の課題というわけではなさそう。ただ、7月ならびに、翌月以降の「米金融政策」を見極める意味を込め、今週は発表される米経済指標の内容そして米通貨当局者による発言にも要注意だ。また、本日から徐々に発表される米企業の決算も場合によっては波乱要因となりかねないかもしれない。

テクニカルに見た場合、先週末にかけ2度下げ止まった107.80-85円が目先のサポートとなる反面、週末高値の108.61円がドルの目先抵抗として意識されている。つまり、107.80-108.60円といった足もとのレンジをめぐる攻防にまずは注目だ。リスクという意味では下抜ける公算が大きい気もするが予断は許さない。

一方、材料的に見た場合、7月のNY連銀製造業景況指数といった米経済指標が発表されるほか、ウィリアムズNY連銀総裁による講演も実施される見込みだ。指標については、最新7月分のデータだけに、市場の関心がより高い感も否めない。
また、米企業決算発表の皮切りとしてシティグループが決算を発表する予定。「金利低下による利ざや縮小などが悪材料」との指摘も聞かれるだけに、注意しておきたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、107.60-108.50円。ドル高・円安方向は、本日アジア高値の108.10円レベルが最初の抵抗。上抜ければ108.25円や108.61円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、直近だけで2度下げ止まった107.80-85円の攻防にまずは注視。割り込むと3日安値の107円半ばを目指す展開か。(了)

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