<< 東京市場の動き >>
14日の東京市場は、凪相場。108円前半、終日を通して20ポイント程度と横ばいに近い動きで、動意らしい動意はうかがえなかった。
ドル円は、108.30-35円で寄り付いたものの、積極的な売買は手控えムード。終日を通した値動きも、108.20-40円といった極めて狭いレンジ取引に終始している。株価も、日経平均は終値ベースで84円高となったが、上海や香港などアジアの株式のほか、NYダウ先物はマイナス圏で推移するなどマチマチ。材料視をしにくい状況だった。16時時点で、ドル円は108.20円前後で推移、欧米時間を迎えている。
なお、動かない為替市場を尻目に、ビットコインは本日もやや荒っぽい値動き。早朝に記録した高値8300ドル前後から8150ドル近くまで下落、その後は持ち直しなかなかの上下動をたどっていた。
一方、材料的に注視されていたものは、昨日夕方に飛び込んできた「日本のタンカーが攻撃を受けた」事に関する報道について。
国連事務総長から「攻撃を強く非難」するコメントが出されたうえ、米国の要請で「国連安保理が『タンカー攻撃』について非公開で協議開催」することが決定した。そうしたなか、米国は国務長官が「タンカー攻撃はイランの仕業と判断」と発言したのに対し、イラン国連次席大使は「タンカー攻撃」関与を強く否定していた。また、世耕経産相「タンカー攻撃でも日本のエネルギー供給に問題なし」、岩屋防衛相「『タンカー攻撃』は自衛権発動の対象外」とのコメントも。
そのほか、トランプ米大統領「サンダース報道官が月末に退任」、「英与党党首選、初回投票はジョンソン前外相がトップ」、FNN「日中首脳会談、6月27日実施で調整」、米NEC委員長「貿易戦争は米国より中国に痛手」−−といった発言や報道が観測されている。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル円は今週もレンジ取引。週明けからここまでの形成レンジは108.15-80円といったところで、またもや1円も動いていない。とくに、昨日は予想外のニュース「タンカー攻撃」報道が聞かれたものの、わずか20-30ポイントしか動かなかったのは一昔前の相場からすると考えられないことだろう。ともかく、目先は先で指摘した今週のレンジを上下どちらに放れるのか、その方向性が注視されている。
材料的に見た場合、継続案件である「北朝鮮」や「イラン」のほか「米貿易問題」、「米利下げ観測」、「英政治情勢」など注目要因は数多いなか、昨日新たに「タンカー攻撃」が加わった。ちなみに、ある国内大手証券による最新レポートでは、「原油相場の上昇は一時的で、タンカー攻撃問題が戦争に発展するリスクは低い」−−とされるが、それでも予断を許さない。
為替も昨日の第一報を受けた初期反応は極めて鈍かったものの、今後の展開次第では一転して荒れ模様を呈しても不思議はないだろう。「米利下げ観測」などにも気を配りつつ、「タンカー攻撃」問題の続報にはしっかりと注意を払いたい。
テクニカルに見た場合、今週のドル円レンジはざっくり108.15-80円で、値動きは1円にも満たない。昨年来、週間レンジが1円に届かないことも決して珍しくはなく、実際先週も週間を通して80ポイントの値幅にとどまっていた。2週続けての小動きをたどるのか否か、海外時間の動静を注視したい。
ちなみに、レンジを下抜けた場合、今度は108円割れを試す展開が見込まれ、直近安値の107.80円がターゲットとなる反面、上値を超えてくれば、109円台を回復する展開もありそうだ。
一方、材料的に見た場合、5月の小売売上高や6月のミシガン大学消費者信頼感指数速報といった米経済指標が発表される予定となっている。また、欧州要因としてはEU財務相理事会に要注意か。
そのほか、決まりもの以外では、新たな波乱要因に加わった「タンカー攻撃」をはじめ継続案件が多く、それらを受けた他市場、たとえば原油や米金利の動きなども気に掛かる。
そんな本日欧米時間のドル円予想レンジは、107.80-108.60円。ドル高・円安方向は、昨日のドル高値であり、時間足ベースなどで上昇を阻み続けている108.55円レベルが最初の抵抗。抜ければ今週高値の108.80円、109円レベルがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日のドル安値108.16円が目先サポート。引き続き底堅いイメージもあるが、割り込めば今度こそ107円台突入の可能性が高まりそうだ。5日安値の107.80円が視界内に。
ドル円時間足
オーダー/ポジション状況
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