<< 東京市場の動き >>
13日の東京市場は、ドルが小安い。これまで空けたままだった週初のギャップ(108.20-30円)を、ようやく埋めてきている。
ドル/円は、108.45円前後で寄り付いたのち、しばらくは揉み合い。108.45-55円といった非常に狭いレンジ取引をたどっていたが、底割れすると、一気に日中安値である108.15-20円まで下落した。日経平均株価が一時200円程度と、大きく下げていたことが嫌気されていたという。
しかし、株価が徐々に持ち直したこともあり、ドル/円も小反発。16時時点では108.30-35円で推移、欧米時間を迎えている。
なお、仮想通貨ビットコインは、東京時間だけみると静か。8100ドルを挟んだレンジ取引だったが、未明には7950ドルレベルから8100ドル半ばへ、200ドル程度の上昇をみせるなど、引き続き値動き荒っぽい。
一方、材料的に注視されていたものは、未明に実施された「日・イラン首脳会談絡み」の報道など。
「米国が新たなイラン制裁を発表」するなか、安倍首相とイラン大統領の会談が実施され、「安倍氏は米との緊張緩和を求めた」のに対し、イラン大統領は「我々も米国との戦争を望んでいないが、始まれば徹底して対抗する」などと述べ、米国のスタンスをけん制していたという。なお、そののち、オルタガス米国務省報道官からは「安倍首相の取り組みを『すべて支持する』」と関係改善に向け、期待を込めたコメントが聞かれていた。
そのほか単発モノとして、「メイ英首相、政界引退を否定」、ブルームバーグ「米商務長官が『FRBの直近の利上げは時期尚早』と発言」、トランプ米大統領「対中関税『第4弾』発動期限を明言せず」、同「北朝鮮との非核化協議を急いでいない」−−とする発言や報道が観測されている。
<< 欧米市場の見通し >>
テクニカルの観点からすれば、空けたギャップはいつか埋めるものとされ、本日東京時間にドルは値を下げ「窓埋め」してきたところまでは想定内。ただ、埋めたのち続落せず、小反発に転じているところが正直悩ましい。続落すれば再び107円台突入の可能性も否定できなかったのだが、目先底堅く推移する公算も高まっている。結局108円台を中心としたレンジ取引が続くことに、なりかねないかもしれない。
材料的に見た場合、「北朝鮮」や「イラン」のほか「米貿易問題」、「米利下げ観測」など注目要因は数多い。週初は「北朝鮮」、昨日は「イラン」など、ここ数日はそれらが日替わりで注目されており、本日はと言うと「日米閣僚級通商交渉」が実施されることでの「米貿易問題」、そして「第1回・保守党党首選投票」がはじまることを受けた「英国情勢」に要注意か。ちなみに、後者は立候補した10人のうち得票数が下位の候補がふるい落とされ、上位者が18日の2回目投票に進むことになるのだが、波乱がなければ投票後一度調整的にポンドが買われるとの見方も少なくないようだ。
テクニカルに見た場合、目先の下値メドだった週初に空けた下方向のギャップ(108.20-30円)を埋めたが、ドルは続落せず。本稿執筆段階では108.30円台での推移となっている。
リスクという意味では下方向にバイアスが掛かる気がするものの、予断は許さず。再び下落に転じた場合、今度は108円割れを試す展開が見込まれる反面、このまま上値を試すことになれば、まずは今週高値の108.80円がターゲットに。
一方、材料的に見た場合、5月の輸出入物価指数など幾つかの米経済指標が発表されるものの、市場の注目度はそれほど高くなく、基本的にはノーインパクトか。ただ、別に米財務省による30年債入札が実施される予定となっており、そちらには注意を払いたい。
また、本日は先でも取り上げた「日米閣僚級通商交渉」、ならびに「第1回・英保守党党首選投票」が実施される予定で、とくに後者がポンド相場の波乱要因になりかねないとして警戒する参加者の声も多く聞かれていた。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、107.80-108.70円。ドル高・円安方向は、昨日東京以降、時間足ベースなどでドルの上値を阻み続けている108.55円レベルが最初の抵抗。抜ければ今週高値の108.80円、109円レベルがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、東京安値の108.15-20円が目先サポート。引き続き底堅いイメージもあるが、割り込めば今度こそ107円台の可能性が高まりそうだ。先週末安値の107.88円を目指す展開も。(了)
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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