<< 東京市場の動き >>
5日の東京市場は、108円を挟んだレンジ取引。ドル安基調そのものは継続しているものの、日経平均など株価が堅調に推移したこともあり、下値を攻め切れなかった。
ドル円は108.10-15円で寄り付いたのち、わずかに上昇。日中高値である108.25-30円を示現したものの、抜け切れず。その後は小幅に弱含むと108円挟み、107.95-108.15円程度のレンジ取引に。日米株価の動きをにらみつつ、16時時点では、108.10円前後で推移、欧米時間を迎えている。
なおビットコインは、依然として荒い値動きが続く。本日も、未明高値8000ドル台から7500ドル前半まで値を下げたのち、7800ドル台まで切り返すという、かなり激しい上下動だった。
一方、材料的に注視されていたものは、引き続き「米貿易問題」について。
米中については、中国商務省から「対米通商問題は対話と交渉で解決すべき」などとこれまでの態度から変化を感じさせるコメントが聞かれたものの、対照的にブルームバーグは「米財務長官、G20で中国側と正式な会合予定せず」と報じるなど、引き続き両国の軋轢があらわに。また、米墨に関しては、トランプ米大統領が「対メキシコ関税、発動の可能性高い」と発言するなか、メキシコ大統領による「関税期限前の米との合意を楽観視」とのコメントが聞かれていた。
そのほか単発モノとして、朝鮮中央通信「北朝鮮高官『米の対応次第で首脳会談の合意は白紙に』」、「日米財務相がG20に合わせ会談へ、『為替条項』も協議」、安倍首相「リーマンショック級の出来事ない限り10月に消費増税」−−などといった発言やニュースが報じられている。
<< 欧米市場の見通し >>
先週末からのドル安・円高という、流れそのものは依然として継続中。しかし、今週に入ってからは107.85-108.45円といった1円未満の狭いレンジ取引に終始している。目先高値から2円程度下落したこともあり、第一波は取り敢えず終了か。足もとの60ポイントレンジはさすがに狭すぎるにしても、108円台前半を中心とした揉み合い、次の動意に向けた時間調整の動きはいましばらく続く可能性がある。
材料的に見た場合、「北朝鮮」や「イラン」などの関心も高いが、やはりもっとも注視されている要因は「米貿易問題」と急台頭する「米利下げ観測」。後者については、一昨日のセントルイス連銀総裁に続き、昨日はパウエルFRB議長も「景気見通しが悪化すれば利下げで対応する可能性がある」との考えを示唆していた。週末に発表される米雇用統計を中心に、本日発表の米経済指標への警戒感は強く、内容にも注意を払いたい。
テクニカルに見た場合、昨日一時107.85円まで下落するなど、リスクという点では依然としてドル安方向にバイアスがかかりそう。ちなみに、ドルの下値メドはフィボナッチを参考に107.25-30円などとなる。
しかし、目先高値から2円、4月末高値からは4円を超える下げをたどっていることで、足もとはむしろ下げ渋りの感も。まずは、今週に入り推移している107.85-108.45円というレンジをどちらに抜けていくのか、その方向に要注意だ。
一方、材料的に見た場合、5月のADP雇用統計やISM非製造業総合指数など幾つかの米経済指標が発表されるほか、クラリダ副議長がFRBの会議で挨拶する予定とされるなど、通貨当局者の発言機会は本日も少なくない。前述したように、一昨日はセントルイス連銀総裁、昨日はFRB議長と連日で「利下げ容認」とも捉えられる発言が聞かれているだけに、市場では3日連続を警戒する声も。
そうしたなか、欧州情勢のなかで関心を集める英首相後継者争いだが、昨日「クレバリー閣外相が離脱を公表」するなど、今後さらに人物が絞られそうだ。引き続き注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル円予想レンジは、107.70-108.70円。ドル高・円安方向は、昨日高値、そして今週高値が位置する108.35-45円の攻防にまずは注視。抜ければ、一目均衡表の転換線が位置する108.90円レベルなどがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日記録した今週のドル安値である107.85円が最初のドル下値メド。割り込むようだと一本調子ではないにせよ、107.25-30円が再び視界内に捉えられかねない。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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