ドル円 ADP雇用統計を受けて一時前日安値を下回るも関税を巡る警戒感緩和で急反発
海外時間の為替概況
5日の海外市場でドル円は急落後に急反発。国際通貨基金(IMF)が中国の経済成長率見通しを下方修正したことや、注目された米5月ADP雇用統計(結果2.7万人増、予想18.0万人増)が約9年ぶり低水準を記録したこと等が重石となり、ドル円は、「米景気減速懸念→米利下げ観測高進→米長期金利低下」への連想から一時約5ヶ月ぶり安値となる107.82まで急落しました。
しかし、1/10安値107.77を前に下げ渋ると、その後は、@ナバロ米大統領補佐官による「対メキシコ関税発動は必要ない可能性」との発言や、A米5月ISM非製造業景気指数(結果56.9、予想55.5)の予想比上振れ、B米上院財政委員会のグラスリー委員長による「6/6にはメキシコと関税について合意する見通し」「米国はメキシコに関税を課さない見通し」等の発言が支援材料となり、ドル円は、米国時間午後にかけて108.49まで急伸する展開となりました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、結局108.45前後でクローズしております。
一方、ユーロドルは急伸後に急反落。冴えない米5月ADP雇用統計を反映したドル売りを背景に、ユーロドルは一時、4/18以来となる高値1.1306まで急伸するも、戻り売りに押されて伸び悩むと、その後は、@ナバロ米大統領補佐官による「対メキシコ関税発動は必要ない可能性」との発言や、A米5月ISM非製造業景気指数の予想比上振れ(訂正×不冴えな結果)、B欧州委員会によるイタリアに対する是正措置開始などが重石となり、米国時間午後にかけて、一時1.1220まで急落しました。引けにかけて下げ渋るも上値は重く、結局1.1225付近でのクローズとなっております。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は、@ダブルトップからの下放れ、A強い売りシグナルを表す一目均衡表・三役逆転、B29営業日連続でのボリンジャー・ミッドバンド割れ、C強い下落トレンドを示唆するバンドウォーク(下限)の発生など、テクニカル的に見て「下落リスク」が強く意識されます。昨日は、対メキシコ関税を巡る「警戒感の緩和」がポジティブサプライズと受け止められ、ドル円は一時108.49まで急伸する動きを見せましたが、米中貿易摩擦の泥沼化や中東を巡る地政学的リスク、世界経済の減速懸念、英国情勢の不透明感、イタリア財政問題など、ファンダメンタルズ面での不安要素を考慮すれば、ドル円の反発余地は限られると予想いたします。一目均衡表転換線が走る108.88付近では「戻り売り」圧力が強まると見られ、本日も引き続きドル円の反落リスクに警戒が必要でしょう。米中貿易摩擦やメキシコを巡るヘッドラインや、日本時間20:45からのECB理事会、同21:30からのドラギ総裁会見や、米新規失業保険申請件数、米4月貿易収支などに注目です。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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