ドル円、冴えない米1ー3月期コアPCEを受けて伸び悩む展開
海外時間の為替概況
30日の海外市場でドル円は上昇後に急反落。「欧米株の堅調推移→欧米長期金利の上昇」を通じてリスク回避ムードが後退する中、ドル円はNY時間序盤にかけて、一時109.93まで上昇しました。注目された米1ー3月期 GDP改定値(結果+3.1%、予想+3.0%)は辛うじて市場予想を上回ったものの、同コアPCE改定値(結果+1.0%、予想+1.3%)が約3年ぶり低水準へと落ち込むと、米長期金利の低下→米長短金利の逆転進化を嫌気する形でドル円も反落。 米4 月中古住宅販売成約指数(結果▲1.5%、予想+0.5%)のマイナス転化も重石となる中、ドル円は米国時間午後にかけては109.47まで下げ幅を広げました。引けにかけて小反発するも上値は重く、結局109.50-60ゾーンでクローズしております。
一方、ユーロドル相場は引き続き上値の重い展開。@欧州経済を巡る先行き不透明感や、Aイタリアの財政悪化問題、B英国情勢を巡る不確実性が重石となった格好。米国時間には約1週間ぶり安値となる1.1116まで下げ幅を広げるなど、5/23に付けた直近安値1.1106に迫る場面も見られました。もっとも、米1ー3月期のコアPCE改定値が冴えない結果となると、「米長期金利低下→ドル売り」の流れがユーロドルを下支えする形となり、引けにかけて1.1135 近辺まで小反発してのクローズとなりました。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は、@ダブルトップからの下放れ、A強い売りシグナルを表す一目均衡表三役逆転の出現、B25営業日連続でのボリンジャー・ミッドバンド割れなど、テクニカル的にみて下落リスクが強く意識されます。通貨オプション市場でもボラティリティの上昇+リスクリバーサル(円コールオーバー)の拡大が見られるなど、「リスク回避の円買い」を織り込む動きが足元で続いております。この2日間見られたように都度ショートカバー的な買い戻しは発生しますが、反発局面では、戻り売りに続伸を阻まれ、すぐに押し戻される展開が確認されます。昨日もボリンジャー・ミッドバンド(109.91)や一目均衡表転換線(109.92)がレンジスタンスとなる形で反落に転じました。
米中貿易摩擦の泥沼化や、朝鮮半島・中東を巡る地政学的リスク、英国情勢の不安定化、欧州経済・政治を巡る先行き不透明感、イタリアの財政悪化問題など、ファンダメンタルズ面での不安要素が、ドル円・クロス円の上値を抑制する展開が続きそうです。本日の日本時間21:30に発表される米4月耐久財受注が冴えない結果となれば、「米景気後退懸念→米株下落→米長期金利低下」の流れを通じて、ドル円が5/13に付けた直近安値109.02を試す展開も視野に入ります。連日のショートカバーで俄か円ロングのポジション調整はある程度進んでいると見られることから、本日も引き続きダウンサイドリスクに警戒が必要でしょう。安値圏での突っ込み売りを避けつつも、ショートカバーが発生した際に「戻り」をしっかり売っていくスタンスを継続したいと思います。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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