<< 東京市場の動き >>
30日の東京市場は、ドルは底堅い。過去1週間程度のレンジ上限である109.70円レベルまで、わずかに値を上げる局面も観測されていた。
ドル円は109.55円前後で寄り付いたものの、引き続き明確な方向性は乏しい。終日を通した値幅も30ポイントに届かなかった。過去1週間程度のレンジ上限である109.70円レベルまで一時上昇するも、ドルの上値は重く続かず。ただ、下値も堅く109円半ばを若干割り込んだレベルまでにとどまっている。109.50-70円をコアとしたレンジ取引をたどるなか、15時時点のドル円は日中高値圏の109.70円前後で推移、欧米時間を迎えていた。
なお、仮想通貨ビットコインは依然として荒っぽいと言えば荒っぽいが、値動きはようやく落ち着いてきた感も。終日を通し、8550-8750ドルといった200ドル程度のなかでの上下動だった。
一方、材料的に注視されていたものは、引き続き「米中貿易問題」。
昨日米財務省が発表した半期に一度の為替報告書が依然として思惑を呼んでいたうえ、「レアアースの対米輸出制限検討」という中国の対抗措置も引き続き話題に。そうしたなか、FOXは「米国務長官が『ファーウェイは中国政府の道具』と発言」、香港紙「中国は国営メディアに米国を過度に批判しないよう要請」などいった報道も別途観測されている。
そのほか単発モノとして、米特別検察官「ロシア疑惑でトランプ氏の潔白を確信できず」、イラン大統領「制裁解除が対米交渉の条件」、共同通信「日本政府が北朝鮮当局者に首脳会談打診へ」、桜井日銀委員「さらに大きな追加緩和必要か慎重に考えた方が良い」−−などといった発言やニュースが報じられていた。
<< 欧米市場の見通し >>
昨日は東京時間に見られたドル安・円高の流れが、欧米時間に一変。本稿執筆段階でも、逆にドル買い・円売りが優勢となっている。大きな意味ではレンジ内、109円台の値動きにとどまっているが、レンジ上限をうかがう展開で、目先抵抗の109.80円レベルあるいは110円をめぐる攻防が注視されていることは間違いない。それらをしっかり超えれば、21日高値の110.68円がターゲットに。
材料的に見た場合、「北朝鮮」や「イラン」、「米貿易問題」、「英国情勢」などが継続案件として引き続き注目されている。どれもそれほど差し迫った要因ではないものの、引き続き注意を払いたい。また、NYダウを中心とした各国株価の動きに為替は連動することも少なくないが、昨日は米株安が進行したにもかかわらず、為替はドル高に振れている。材料となったのは、米金利の動きで、実施された米7年債入札が弱めの動きになったことがドル高反転のキッカケとされていた。米株の動きともに、米金利の動きにも一応要注意だ。
テクニカルに見た場合、先週末から過去1週間程度に及ぶドルのレンジ上限である109.70-80円をうかがう様相を呈している。引き続き攻防には要注意。少し手前には一目均衡表の転換線も位置するなどを上値は重そうだが、110円を超えれば21日高値の110.68円をターゲットにドルが続伸する可能性も否定できないだろう。
それに対するドルのサポートは、109円前半。5月安値109.02円をはじめ、今月は一度も109円割れがなかったことから、ドルの底堅さを指摘する声も少なくない。
一方、材料的に見た場合、1-3月期のGDP改定値や4月の中古住宅販売成約指数など幾つかの米経済指標が発表されるほか、クラリダFRB副議長による講演などが実施される見込みだ。また、「米副大統領とカナダ首相、ファーウェイ問題で30日に協議」と報じられており、こちらも警戒されていた。
そうした米国ファクター以外では、政治を中心に様々な要因を抱える欧州情勢に注目。ちなみに、メイ首相の後継者争いが過熱している英国では、最有力候補とされるジョンソン前外相について「英判事、『虚偽発言』で出廷命令」との報道も観測されており、情勢は混とんとしてきた。
そんな本日欧米時間のドル円予想レンジは、109.40-110.30円。ドル高・円安方向は、本日東京高値も近い109.70-80円をめぐる攻防にまずは注視。抜ければ110円、そして移動平均の25日線が位置する110.25円レベルなどがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、ここ最近のドル安値圏である109.15-25円が最初のサポート。ただ、割り込んでも今月安値109.02円が強く意識されそうで、108円台は近くて遠いイメージだ。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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