ドル円110円台回復も上値重い状況は続きそう(5/20夕)

週明け20日の東京市場は、「行って来い」。一時ドル高が進行し、直近の戻り高値を更新するも続かず。結局、寄り付きレベル近くまで押し戻されている。

ドル円110円台回復も上値重い状況は続きそう(5/20夕)

<< 東京市場の動き >>

週明け20日の東京市場は、「行って来い」。一時ドル高が進行し、直近の戻り高値を更新するも続かず。結局、寄り付きレベル近くまで押し戻されている。

週末には、実施された「豪総選挙で与党が勝利、豪首相は続投宣言」、「米中外相が電話会談、中国はファーウェイ締め出しに抗議」などといった材料が観測されるなか、週明けの為替市場で取引がはじまった。ドル円は先週末のNYと大差ない110.10円前後で寄り付いたものの、前記した総選挙結果を好感し、豪ドルが対円やドルで高寄りしている。ドル円も、その後じり高となり日中高値110.30-35円まで値を上げるも息切れ。結局、オープンレベルまで値を戻す「行って来い」となり、16時時点では110.10-15円で推移、欧米時間を迎えていた。
なお、仮想通貨ビットコインは週末、7300ドル台から8000ドルまで急騰という流れを経たのちの東京時間も落ち着かない。さすがに、先週末ほどの乱高下ではなかったが、それでも8200ドル台から7800ドルへ急落するなど、なかなかの上下動が観測されている。

一方、材料的に注視されていたものは、「米貿易協議」について。
中国外務省報道官から「米国は通商交渉で誠意示す必要あり」との発言が聞かれるなど、引き続き米中間の鍔迫り合いが目につくものの、週末以降に注目を集めていたのはむしろ日米か。たとえば、「トヨタ米国法人、トランプ氏の輸入車規制に反対声明発表」、共同通信「日米首脳会談、共同声明見送りへ」といったニュースが報じられていた。その後も、ロイターは「ライトハイザー米通商部代表が24日来日、日米閣僚交渉へ」と指摘、いよいよ本格交渉待ったなしの感も。
そのほか単発として、「オーストリアの副首相辞任を受け与党が連立解消、9月総選挙へ」、英日曜紙「英首相、来月5日ごろEU離脱で『大胆な提案』」、日経新聞「米中対立で『ミセスワタナベ』がドル爆買い」、「米与党議員から初、トランプ氏の弾劾呼び掛け」−−などといった発言やニュースが報じられていた。

<< 欧米市場の見通し >>

本日の東京時間、日米を中心とした株価はいずれも堅調(米株は時間外の先物取引)。とは言え、飽くまでもじり高推移といったところで抜きんでた動きや、大きく上昇をしているわけではない。下値リスクはまだ残ることもあり、為替市場においてもドル高基調の継続に疑問を抱く声は決して少なくないようだ。またテクニカルにも、本日東京で上げ止まった110.30-35円は、年初来高値112.40円を起点とした下げ幅のフィボナッチ38.2%戻しに当たるテクニカルポイント。ドルの上値の重い展開は、まだしばらく続く可能性がある。

材料的に見た場合、継続案件の「北朝鮮」そして「イラン」は当然要注意。また、米中や日米を中心とした「米貿易問題」が注視されている状況にも変化はない。そうしたなか、個人的に警戒を強めているのが欧州情勢。23-26日に注目の「欧州議会選」を控えるという環境下、先でも取り上げた「オーストリアが9月総選挙へ」のほか、「英国情勢不安」、「ウクライナ外相が辞意表明、新大統領就任直後に提出」、「トルコ大統領、ロシアとの新たな地対空ミサイルの共同開発示唆」など気になる要因が目白押しとなっている。それぞれ関連情報などに注意を払いたい。

テクニカルに見た場合、「しっかり」抜けることが出来なかった110円レベルを、先週末NY時間に越えており、上値展望が開けたと言ってよい。本日東京時間には一時110.30-35円まで上昇もしている。
そんなドルの上値メドは、まず本日東京高値の110.30-35円で、これはフィボナッチで見たテクニカルポイント(38.2%戻し)。ちなみに、フィボナッチの半値戻しは110.70円レベル、61.8%戻しは111.10円レベルなどとなる。

一方、材料的に見た場合、4月のシカゴ連銀全米活動指数といった米経済指標が発表されるほか、ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁による講演などが予定されている。後者が要注意であるのはもちろん、前者についても先週木曜日以降は発表される指標が軒並み良好。それを好感したドル買いが目についただけに、同様展開には一応の注意を払いたい。
また、米国ファクターに目が向きがちだが、先でも指摘したように欧州ファクターも気になる要因が少なくない。そちらのニュースもバリューによっては、マーケットの波乱要因に。

そんな本日欧米時間のドル円予想レンジは、109.60-110.60円。ドル高・円安方向は、本日東京高値の110.30-35円の攻防にまずは注視。抜ければ、移動平均の25日線なども位置する110.70円などが意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、現状上抜けている110円レベルを再び「しっかり」と下回れるかに注目。割り込めば、先週末安値の109.49円や直近安値の109.02円前後がターゲットに。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る