海外時間の為替概況
20日の海外市場でドル円は反落。オーストラリア総選挙における予想外の与党勝利や、本邦第1四半期GDP速報値(結果0.5%、予想▲0.1%)の良好な結果が支援材料となる中、ドル円は日本時間朝方に、約2週間ぶり高値となる110.32まで上値を伸ばしました。しかし、一目均衡表雲下限が控える同水準(110.30)では戻り売り意欲も根強く、伸び悩むと、その後は米中貿易摩擦やファーウェイ問題、米国とイランを巡る地政学的リスクの高まりを背景に再び反落。米4月シカゴ連銀景気指数(結果▲0.45、予想▲0.33)の予想比下振れも重石となる中、米国時間序盤にかけて、109.82まで下げ幅を広げました。引けにかけては、この後に控えるパウエルFRB議長講演を前にポジション調整的な買い戻しが強まり、ドル円は結局110.05まで反発してのクローズとなっております。
一方、ユーロドル相場は安値圏で神経質な値動き。アジア時間には、約2週間ぶり安値となる1.1150まで下げ幅を広げる場面も見られましたが、ドイツ4月生産者物価指数(結果0.5%、予想0.4%)の予想比上振れや、米4月シカゴ連銀景気指数の冴えない結果が支援材料となると、米国時間には一時1.1176まで反発しました。もっとも、週末に控える欧州議会選挙でのEU懐疑派躍進への警戒感や、欧州経済を巡る先行き不透明感の高まり、イタリアの財政悪化懸念がくすぶる中、上値も重く、続伸が阻まれると、結局1.1165付近まで押し下げられてのクローズとなっております。
ドル円のテクニカル分析
ドル円はアジア時間朝方かけて一時110.32まで上昇するも、一目均衡表雲下限(110.30)に続伸を阻まれると、その後反落に転じました。一目均衡表・三役逆転(日足)やボリンジャーミッドバンドの右肩下がりが継続する限り、米中貿易摩擦に端を発した「ドル安・円高トレンド」は継続中と整理できます。とはいえ、ドル円は6営業日連続(5/13安値109.02→5/14安値109.14→5/15安値109.16→5/16安値109.33→5/17安値109.50→5/20安値109.82)で下値を切り上げるなど、一定の底堅さも確認されます。
直近安値を割り込み、先週初から始まった短期上昇トレンドが崩れさるまでは、安易なショートエントリーは危険と判断いたします(しっかりと引き付けてからの戻り売りがベスト)。本日のアジア時間は、この後日本時間朝8時から予定されているパウエルFRB議長の講演に注目が集まります。好調な米経済指標、冴えないインフレ指標を踏まえて、パウエル氏が金融政策の方向性に対してどういった見解を示すかに注目です。一部でくすぶる「米利下げ観測」を否定するような内容となれば、ドル買いが活発化する恐れもある為、本日のアジア時間はボラティリティの拡大にやや注意が必要でしょう。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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