短期トレンドは“豪ドル弱気”変わらず。
5月7日、豪州中銀は市場の予想に反して政策金利(キャッシュレート)を現行の1.5%に据え置きました。市場では0.25%の利下げを予想していたため、ショートカバーを誘発しましたが、78円の壁にぶつかって反落しています。また、同日発表された小売売上高も好調でしたが、底堅さを示す経済指標には反応しませんでした。為替市場は米中貿易戦争に発展する懸念から上値の重い展開となっていますが、10日に発表された中銀四半期報告では2019−20年の成長見通しを前回2月に続き下方修正しており、これも豪ドルの上値を抑えているようです。
チャートを見ると、日足は4/17に付けた80.72を直近高値として上値を切り下げる流れを変えていません。この日足の上値抵抗は77.80-90にあります。短期トレンドは78.00±10銭にあった強い下値抵抗を下抜けて新たな下落トレンド入りしており、78円台を回復して終えない限り下値リスクがより高い状態です。
日足ベースで見た上値抵抗は77.50-60、77.80-90に、下値抵抗は76.00-10、75.40-50にありますが、短期トレンドが変化して日が浅いためこれらを下抜けてしまう可能性に注意が必要です。21日、120日、200日移動平均線は78.85、79.15、79.87にあり、全てを下抜けて“豪ドル弱気”の流れにあります。
一方週足は3週連続陰線引けとなり、上値を切り下げていますが、78.00±10銭の下値抵抗をかろうじて守って越週しました。しかし、5日のNYでトランプ大統領が中国からの輸入品に課している関税を25%に引き上げることを表明したことから、今週は大きく下寄りのスタートとなりその後も続落しています。この結果、新たな下落トレンドに入った可能性が高くなっており、一段の下落リスクに注意が必要です。今週の週足の上値抵抗は78.00-10、78.70-80に、下値抵抗は76.00-10、74.90-00にあります。31週、62週移動平均線は79.44と80.70にあり、両者を大きく下抜けており、4月に付けた80.72で戻り天井を確認した可能性が高くなっています。
また、月足も下値リスクがより高い状態で、昨年12月の大陰線の値幅(安値77.16)を下抜けて越月した場合は、一段の下落リスクが生じます。
豪ドル/円【週足】:(5/10現在31週移動平均線は79.44に、62週線は80.70にあり、これらを大きく下抜けており、中期トレンドは“豪ドル弱気”の流れに入っている)
オーダー/ポジション状況
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