静けさの後の円高の嵐か(週報5月第1週)

先々週も先週も動きは鈍かったものの、2週間の動き全体を振り返ると112円台前半からから111円台前半へと緩やかにドル安円高のトレンドを継続しています。

静けさの後の円高の嵐か(週報5月第1週)

前週の主要レート(週間レンジ)

前週の主要レート(週間レンジ)

(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。為替の高値・安値は東京午前9時〜NY午後5時のインターバンクレート。

先々週と先週の概況

間が空いていることもありますので、今週はいつもとはやや書き方を変えさせていただきます。

*先々週
 東京市場の大型連休を前に週前半はまったく動意薄の展開が続きました。ユーロ売りがドル高に繋がり24日NY市場では112円台に乗せた後にストップオーダーを巻き込みながら112.40レベルと年初来高値を更新しましたが、ストップが一巡すると急速に値を戻し、翌25日には日米通商協議に向けた思惑も重なり行って来い。
 日米通商協議では麻生財務相が為替については財務省の管轄と発言したことから、米国側からは何らかの話が出たことは想像でき、遅れている米国財務省による為替報告書の議会提出も重なって週間安値の111.37レベルまで下押し後、翌26日は結局は見慣れた111円台半ばへと戻して連休を迎えることとなりました。

*先週
 東京市場では初めての一週間全てが休場ということになり、東京勢が不在の中でまったく動かないか、動くとすると流動性低下の影響もあって大きく動くリスクがありそうだという雰囲気での週明けを迎えました。前週の流れを受けて若干ドルの上値が重たい週前半となり、1日のFOMCを見守りました。
 FOMCの結果で意外感を持って受け止められたのが超過準備の付利を5bp引き下げたこと。緩和とつなげて考えた参加者はドル売りを仕掛け111.02まで下押ししたものの、パウエル議長がテクニカルなものと発言したことから111円台半ばへと戻して、次の材料となる米国雇用統計待ちとなりました。
 米国雇用統計はNFPが予想よりも強く、失業率が3.6%と49年ぶりの低い水準となったことを受け、直後には111.73レベルと週間高値をつけましたが、上がったところでは戻り売りを考える向きが多く、すぐに指標前の水準に押し、その後NYの後場には111.08レベルまで押し安値圏での週末クローズとなりました。

今週の予定(時刻表示のあるものは日本時間)

今週注目される経済指標と予定をあげてあります。影響が少ないものはあえて省いています。FRB地区連銀総裁講演の内、2019年FOMCメンバー(ニューヨーク、シカゴ、ボストン、セントルイス、カンザスシティ)ではない地区連銀総裁はカッコ付で示しました。また、わかりやすさ優先であえて正式呼称で表記していない場合もあります。

5月6日(月)
**:** 東京市場休場
10:45 中国4月MarkItサービス業PMI
16:50 フランス4月製造業PMI改定値
16:55 ドイツ4月製造業PMI改定値
17:00 ユーロ圏4月製造業PMI改定値
18:00 ユーロ圏3月小売売上高
22:30 (フィラデルフィア連銀総裁講演)
26:45 カナダ中銀総裁講演

5月7日(火)
10:30 豪州3月貿易収支
13:30 豪中銀政策金利発表
15:00 ドイツ3月製造業新規受注
15:45 フランス3月貿易収支
17:00 カンリフ英中銀副総裁講演
20:00 (ダラス連銀総裁講演)

5月8日(水)
08:50 日銀会合(3月15日)議事要旨公表
11:00 NZ中銀政策金利発表
**:** 中国4月貿易収支
15:00 ドイツ3月鉱工業生産
17:15 ラムスデン英中銀副総裁講演
23:30 週間原油在庫統計
**:** 米中通商協議閣僚級
**:** 南ア総選挙

5月9日(木)
10:30 中国4月CPI・PPI
21:30 米国新規失業保険申請件数
21:30 米国3月PPI
22:45 (アトランタ連銀総裁講演)
23:00 米国3月卸売売上高・在庫
26:15 シカゴ連銀総裁講演
**:** 非公式EUサミット

5月10日(金)
08:50 日銀会合(4月25日)主な意見公表
10:30 豪中銀四半期金融政策報告
15:00 ドイツ3月貿易収支
15:45 フランス3月鉱工業生産
16:00 フランス中銀総裁講演
16:30 ラウテンシュレーガーECB理事講演
17:30 英国3月GDP
17:30 英国3月貿易収支
18:30 イタリア中銀総裁講演
21:30 米国4月CPI
23:00 NY連銀総裁講演

今週の週間見通し

先々週も先週も動きは鈍かったものの、2週間の動き全体を振り返ると112円台前半からから111円台前半へと緩やかにドル安円高のトレンドを継続しています。また、イベントや指標でドル買いとなってもすぐに押してくる動きを見るにつけ、市場参加者の多くはドルが買われる局面では売っておきたいというスタンスが見られます。

ここまでの大きな材料としては、日米通商協議と首脳会談が6月の大阪G20まで毎月のように行われること、そして4月の閣僚級協議ではおそらく最初のボールとして為替条項を含めたいという米国側からの提案があったであろうことは日本側の発言からも読み取れるところです。FX羅針盤のコラムではドルインデックスが97を超える水準は過去と比較してもドル高に注意が必要と書き、その後98台まで見ていますが、現在は97の前半に押してきています。

例年、4月最終週(4月末と10月末)を目途に米国財務省は為替報告書を議会に提出していますが、監視リストにおいて中国、日本、ドイツは常連国となっています。報告書作成が遅れる中で日米通商協議、さらには米中協議も行われていますが、米中協議に関して週末にトランプ大統領が爆弾発言を行いました。協議の遅れに対する怒りのtwitterですが、猶予していた2000億ドル分の対中制裁関税を10日に発動し25%に引き上げらると表明。

8日の米中協議に向けての強気発言とも思えましたが、トランプ大統領の発言を受け中国側は8日の協議のキャンセルを匂わせ、これによってドル円は早朝の段階で110円台後半を窓空けして始まった動きを更に強め、110円台前半へと入り込む波乱の連休最終日を迎えています。東証は連休ですが、海外の先物市場は通常取引となっていて、シカゴのGLOBEXでは金曜高値の22490円から今朝のアジア市場では21915円へと600円近い急落を見せています。

明日から再開する東京株式市場でも米国のアクションを懸念し、さらに日米通商協議にも強気で臨んでくるのではないかという思惑が、株安と円高の流れを決定づけることとなりそうです。こうした状況下で先週まで円売りポジションは着実に増加していました。4月末時点のシカゴ通貨先物のポジションが金曜の引け時点で発表されましたが、円売りは99,599枚とほぼ10万枚の大台にまで膨らんでいます。ポジション的に円売りに傾いている中でのリスクオフの動き、そしてここまで動きが少なかったことの反動もあって、連休明けも円高の嵐がやってくるのではないか、というのが個人的な見通しとなります。

テクニカルな観点から日足チャートも見てみましょう。

これまでしつこく書いてきたことですが、2015年高値からのレジスタンス(赤の太線)が現在112円台後半から半ばを下降中で、また年初来高値は昨年高値と今年安値の78.6%(61.8%の平方根)戻しとテクニカルになかなかいい水準で止められました。そして、1月4日からの上昇チャンネル(ピンクの平行線)をまさに連休最終日に下抜けしてきたことは、下降トレンドがまだ始まったばかりであることを示すものと考えられます。

今後の下値目途としては年初来安値と年初来高値の38.2%押しが109.54(青のターゲット)であり、3月安値109.71とも近いことから、109円台半ばから後半を最初の下値の目途としやすいと言えます。また、先週末の引け水準が既にレジスタンスとなって来ていることを併せて、今週は109.50レベルをサポートに、111.00レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。

ドル円(日足)チャート

ドル円(日足)チャート

このチャートは、ローソク足の足型をそのままに陰陽の着色のみを平均足と同様とすることで、短期的な方向性(白=上昇、黒=下降)を見やすくした独自チャートとなっています。また、一目均衡表を併せて表示することで上下のチャートポイントもわかりやすく示しました。

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