ドル円、4ヶ月ぶり高値圏から急反落
海外時間の為替概況
昨日の海外市場でドル円は急落。NY時間序盤に発表された米3月耐久財受注(結果2.7%、予想0.8%)は市場予想を上回る良好な結果となりましたが、同時に発表された米新規失業保険申請件数(結果23万件、予想20万件)が不冴えな結果となると、米国の日用品・工業品メーカー3Mの決算悪化に伴う米主要株価指数の下落も重なり、ドル円は下落。約2週間ぶり安値となる111.39まで下げ幅を広げるなど、前日海外時間に付けた高値112.41からわずか1日で1円を超す急落劇となりました。もっとも、下がったところでは押し目買い意欲も根強く、米主要株価指数の下げ幅縮小や、米長期金利の上昇を横目に引けにかけて再び反発。結局111.60-70ゾーンに戻してのクローズとなりました。
一方、ユーロドルは軟調な展開。欧州中央銀行(ECB)デギンドス副総裁による「ECBは必要なら量的緩和を再開する用意がある」との発言や、ドイツ銀行とコメルツ銀行の合併協議破談報道がユーロ売りを誘うと、NY時間にかけて年初来安値の下抜けに成功。2017年6月以来、約1年10ヶ月ぶり安値1.1119を記録しました。引けにかけて反発するも上値は重く、結局1.1130前後でのクローズとなりました。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は前日までの上昇ムードから一変し、約2週間ぶり安値圏へと振るい落とされました。これまでサポートとして機能してきた200日移動平均線(111.50)を一時的に割り込むなど、地合いの急激な変化に市場がまだ付いていけてない印象を受けます。ドル高ムードそのものが変わった訳ではありませんので、ドル高を通じた「クロス円の売り」が、「ドル円の下落」に波及した結果と整理できます。こうした動きの背景には、本邦大型連休を前にした円高警戒感の高まりが挙げられます。統計上、ゴールデンウィーク期間中に円高が進むとのデータは確認できませんが、Sell In Mayの格言通り、5月にセンチメントが悪化するというイメージが先行している可能性があります。特に今年は本邦正月期間中の1月2日にドル円が約5円程度のフラッシュクラッシュを記録しましたので、休暇前にドル円やクロス円のロングを閉じておきたいという気持ちが強まるのも無理はありません。こうした動きは本日の東京時間帯も続く可能性がありますので、ドル円やクロス円のダウンサイドリスクに注意が必要です。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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