<< 東京市場の動き >>
23日の東京市場は、「行って来い」。株価をにらみつつ一時ドル安が進行したものの、切り返すと結局早朝のオープンレベルまで値を戻している。
ドル円は111.90円前後で寄り付いたのち、しばらくは揉み合い。しかし、前日比プラス圏で寄り付いた日経平均株価がマイナス圏へ転じたことなどが嫌気され、為替市場もリスク回避の円買いが優勢となった。日中安値である111.65円レベルまで値を下げている。ただ、ボトムを付けた後は逆にじり高。株価が再びプラス圏を回復したこともあり、ドル円も112円近くまで値を戻すなど「行って来い」の様相に。16時時点では111.85-90円で推移し、欧米時間を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「米貿易問題」について。
日米交渉について、茂木再生相が会見で「25日に訪米し、ライトハイザー米通商代表部代表と会談を行う」と述べ、26日の日米首脳会談前に再会談することを表明するなか、麻生財務相からは「米財務長官と話をしているが、明らかにする段階ではない」との発言も聞かれていた。
そのほか単発モノとして、「FRB理事候補ケイン氏が指名辞退、トランプ米大統領も意向尊重」、「米下院司法委、ホワイトハウス元法律顧問に召喚状」、ロシア紙「露朝首脳会談、25日にウラジオストクで実施」、前田日銀理事「モメンタム損なわれれば追加緩和検討していく」−−といった報道が観測されている。
<< 欧米市場の見通し >>
本日東京時間に111.65円レベルまで値を下げたときは、このままドル安・円高が進行か、と一抹の期待を抱いたが、結局トライは失敗。何度も指摘しているように、「行って来い」の展開で元の木阿弥となった。ただ、ポジションの偏りは引き続き顕著で、実際シカゴIMMの円投機ポジションは最新データ4月16日現在で8万7106枚の円ショートとなり、今年最高レベルへと積み上がっている。リスクという意味では円高方向への警戒が必要かもしれない。
材料的に見た場合、「米貿易問題」を注視している向きが少なくない。特に、日米については当初から25日に「財務相会合」が実施される見込みとされていたが、前述したように、茂木再生相が「25日に訪米し、ライトハイザー米通商代表部代表と会談を行う」と述べるなど、新たな動きが加わった。また、週末26日には「日米首脳会談」も予定されている。果たしてどういった落し所になるのか動静をしっかりと見極めたい。なお、イースター休暇が開け、取引に復帰する欧米市場筋の動きにも注意を払いたいところだ。
テクニカルに見た場合のドル円は、先週に111.75-112.15円といったわずか40ポイントほどの変動しか観測されず、その傾向は昨日の月曜も継続されたが、本日東京時間に一時レンジの下限を割り込んできた。
その後は元のレベル、つまりレンジ内に戻ってしまったことは気掛かりだが、リスクという点では円高方向にバイアスが掛かるのかもしれない。本日東京安値の111.65円レベルを下回れば、移動平均の200日線が位置する111円半ば、同25日線が位置する111.30円レベルなどがターゲットに。
一方、材料的に見た場合、4月のリッチモンド連銀製造業指数や3月の新築住宅販売件数といった米経済指標が発表されるほか、米財務省による2年債入札が実施される見込みだ。また、ユナイテッド・テクノロジーズなどの決算発表も予定されており、それらも一応要注意。
ただ、先でも指摘したように週末にかけて「日米首脳会談」をはじめとする重要材料が控えていることもあり、目先は引き続き動きづらそう。次の動意に向けたエネルギー蓄積の動きはいましばらく続く可能性がある。
そんな本日欧米時間のドル円予想レンジは、111.50-112.20円。ドル高・円安方向は、今週に入りドルの上値をキャップしている112円レベルが最初の抵抗。上抜ければ、年初来高値112.16円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の111.65円レベルの攻防にまずは注視。ただ、割り込んでも移動平均の200日線が位置する111円半ば、同25日線が位置する111.30円レベルなど下方向にサポートは多く底堅い雰囲気は変わっていない。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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