日米貿易協議終了も動意鈍い、レンジ継続か(19/4/17)

17日の東京市場は、ドルが伸び悩み。一時112.15-20円まで上昇し、年初来高値をわずかに更新するも勢いは続かなかった。

日米貿易協議終了も動意鈍い、レンジ継続か(19/4/17)

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17日の東京市場は、ドルが伸び悩み。一時112.15-20円まで上昇し、年初来高値をわずかに更新するも勢いは続かなかった。

ドル/円は112.00円前後で寄り付いたのち、しばらくは揉み合い。しかし、株高の動きにあわせ上昇すると、年初来高値をわずかながら更新している。ただ、ドル高は続かず高値示現後に小反落、再び寄り付きレベルへと戻す小幅な「行って来い」に。16時時点では111.95-00円で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、本日の東京時間にもっとも活発な動意を示していたのがNZドル。対円では日中高値75.80円台から1円以上急落したのち、1円近く戻すという、なかなかの乱高下だった。

一方、材料的に注視されていたものは、「米貿易問題」について。
2日間に及んだ「日米新貿易交渉」は日本時間の本日未明に終了。それと絡め、茂木再生相「率直な意見交換をすることができよいスタートが切れた」、米USTR「物品、農業について協議した」−−などといった発言が聞かれたが、具体的な合意事項はなく、ほとんどの問題が次回以降に先送りされたようだ。なお、そうしたなか茂木再生相から「為替は財務相同士で議論されるべき」とのコメントが発せられている。
そのほか単発モノとして、米シンクタンク「北朝鮮の核施設で作業か、再処理関連の可能性」、米NEC委員長「FRB理事指名に幅広い候補を検討」、聯合ニュース「国連安保理、南北共同遺跡発掘事業を制裁の例外に」、雨宮日銀副総裁「金融緩和の長期化がバブル発生の一因」−−といった発言や報道が観測されていた。

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ドルは本日の東京時間に112.15-20円まで値を上げ、年初来高値を更新するも不完全燃焼。なんだかモヤモヤ感の残る動きとなっている。ただ、為替条項が関心を集めた「日米新貿易交渉」も取り敢えず終了。リスクそのものはくすぶるが、喫緊の課題ではなくなったことなどを受け、さらなるドル高をイメージする参加者も少なくないようだ。しっかりとは越えられなかったこれまでの年初来高値、112.15円レベルをクリアすれば、113円近くまでのドル続伸も否定できない。

材料的に見た場合、日米交渉が取り敢えず終了したものの、「米貿易問題」は引き続き潜在的なリスク要因。また、米欧そして米中の問題へ再び関心が移行することを警戒する声も聞かれていた。貿易問題を中心とした米国ファクター以外にも気になる要因は幾つかあるが、一方で再び欧州情勢に注目が移りつつある感もある。今週末21日のウクライナ大統領選の決選投票や、5月の欧州議会選などを警戒する向きも少なくないほか、初の10連休となる日本のゴールデンウイークや欧米のイースターなども徐々に意識されはじめているようだ。

テクニカルに見た場合、年初来高値である112.13円を本日東京時間に越えたものの、よくよく考えると「面合わせした」といった程度で、「抜けてきた」とは言えないだろう。つまり、大きな意味ではまだレンジ内にとどまっている状態なのかもしれず、引き続きドルの続伸があるのか否か、攻防を注視したい。しっかり超えれば113円近くまでのドル続伸が見込まれる反面、失敗に終われば200日線が位置する111円半ば、あるいは25日線が位置する111.20円レベルなどがターゲットに。

一方、材料的に見た場合、2月の米貿易収支や米地区連銀報告などが発表されるほか、ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁やプラード・セントルイス連銀総裁による講演なども予定されている。また、モルガンスタンレーなどの決算発表にも一応要注意。
そのほか、先でも取り上げた週末にかけての「イースター(休場)」を念頭に、ポジション解消の動きや実需要因も取り沙汰されており、場合によってはそれらが目先の波乱要因となる可能性もある。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、111.60-112.40円。ドル高・円安方向は、本日東京高値でもある112.15-20円が最初の抵抗で、しっかり抜ければ113円近くまでのドル続伸も否定できない。
対するドル安・円高方向は、今週のドル安値圏である111.85円レベルの攻防にまずは注視。ただ、割り込んでも移動平均の200日線が位置する111円半ば、同25日線が位置する111.20円レベルなどサポートは多く底堅いイメージ。(了)

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