<< 東京市場の動き >>
週明け1日の東京市場は、ドルが小高い。先週は1週間を通して一度も越えられなかった111円台を回復するなど、レンジは狭いがドルの強さが目についた。
週末に実施されたウクライナ大統領選について、地元メディアが「トップは人気コメディアン、4月21日に決戦投票実施へ」などと報じるなか、週明けの市場が寄り付いた。ドル円は先週末のNYクローズより、ややドル高・円安の111円前後で寄り付き、以降もドルは底堅い。レンジ的には110.85-111.20円といったところで、決して広くなかったが、多くの時間帯を111円台で推移するなど、印象としてはドルの強さがイメージされる結果となった。16時時点では、日中のドル高値圏である111.10-15円で推移、欧米時間を迎えている。
なお、東京時間は対ドル以外でも円は弱含み。全面安推移となったが、なかでもポンド円は早朝を安値に緩やかな右肩上がり。結局、東京だけで1円近い上昇をみせた。
一方、材料的に注視されていたものは、「英国情勢」について。
引き続き「EU離脱」に絡む報道や発言が多く、相場の波乱要因に。一例を挙げると、「英議会がメイ首相のEU離脱案を3度目の否決」したことに続き、EU大統領「4月10日に英離脱でEU緊急サミット招集」、英政府当局者「短期の離脱期限延長をEUに再度要請するのはありえると示唆」、メイ首相「議会が離脱案で合意しないなら、総選挙を辞さない構えを示唆」、伊テレビ「欧州委員長、『忍耐もこれまで』と英国へ合意迫る」−−などといった動きが報じられていた。
そのほか単発的なモノとして、トランプ米大統領「北朝鮮への追加制裁は不要」、菅官房長官「衆参同日選は99%ない」、米USTRが報告書発表「『農産品に高関税』と日本を批判」、「アラブ連盟、『ゴラン高原』承認めぐり米非難で一致」、「日本の新元号が決定、5月から『令和』に」などのニュースも観測され、それぞれ思惑をよんでいたようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
上値トライかと思いきや下方向に−−といった具合に天邪鬼な動きが続いていたドル円だが、本日の東京時間にようやくレンジを上方向へと抜けてきた。名実ともに4月相場入りし、3月末に向けたリパトリなど、いわゆる期末需給が剥げ落ちたことで、リスクはドル高・円安方向と予想する向きも少なくないようだ。ちなみに、そんなドルの目先上値メドは移動平均の200日線が位置する111円半ば。そのレベルを超えると112円台がみえてくる。
材料的に見た場合、まずは米通商政策に注目。その最たるものは先週に続き実施される「米中閣僚級通商交渉」だが、前述したように米USTRが報告書を発表した「日米」についても油断は禁物だろう。また、米金融政策について、トランプ氏などは「利上げは間違いだった」とのスタンスを堅持する反面、クオールズFRB副議長からは「追加利上げが必要となる可能性もある」との発言が聞かれるなど、正反対の論調も根強い。金利に影響を与えるという意味から、発表される米経済指標の内容を警戒する向きが少しずつ増えてきた様子。
テクニカルに見た場合、先週21日以降のドル円相場は109.70-111.00円のレンジ取引。先週末段階で111円を超えられず、なかなか強い抵抗になっていたが、本日は早朝の時間外取引から111円台を示現するなど、本稿執筆時も上回ったレベルで推移している。
この後は、111円半ばに位置する200日線に向けたトライの有無もさることながら、昨年来レンジブレークについては「ダマシ」が多いだけに、NYクローズで111円台をしっかりと維持できることが出来るのかどうかにも注意を払いたい。
一方、材料的に見た場合、2月の小売売上高や3月のISM製造業景況指数といった米経済指標が発表される予定となっている。今週もっとも注視される米経済指標は週末の米雇用統計だが、前述したように米金融政策について根強い「利上げ容認派」も存在するだけに、指標が好数字になればドルの支援要因となる可能性もある。そのほか、引き続き「英国情勢」が注視されるほか、昨日選挙を終えた「ウクライナやトルコ」の動きも気掛かりだ。
そんな本日欧米時間のドル円予想レンジは、110.50-111.50円。ドル高・円安方向は、本日東京高値である111.15-20円が最初の抵抗。超えた場合には、200日線が位置する111円台半ば、そのレベルを超えると112円台が見えてくる。
対するドル安・円高方向は、先週末のNYクローズである110.80-85円の攻防にまずは注視。ただ、割り込んでも大きく崩れる展開は見込みにくく、75日線が位置する110.30-35円など下方向にサポートは多い。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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