<< 東京市場の動き >>
29日の東京市場は、一時ドル高に振れるも「行って来い」。前日に記録した戻り高値を更新するも、ドル高は続かなかった。
ドル円は、110.60-65円で寄り付いたのち、しばらくは揉み合い。しかし、期末最終取引日ということも影響したのか、仲値決定にかけてドル高が進行すると、日中高値の110.90-95円を示現している。ただ、今回も111円台乗せは叶わず軟落すると、その後は110.65-90円といったレンジでの揉み合いに。16時時点では110.60-65円で推移、欧米時間を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「英国情勢」について。
引き続き「EU離脱」に絡む報道や発言が多い。ロイターが「英首相のEU離脱協定案、29日に一部のみ投票」などと報じるなか、英紙「ジョンソン前英外相、メイ首相のEU離脱案は『終焉』と発言」、時事通信「英首相、反対派の切り崩し至難」といった厳しめの論調が目についている。
そのほか単発的なモノとして、現地メディア「トルコ財務相、株・債券市場は数日以内に正常化と発言」、共同通信「日本政府、新元号公表時間を4月1日午前11時半で調整」、米NEC委員長「対中関税を一部撤回の可能性」、米紙WSJ「米中通商協議、中国がクラウド分野で歩み寄り」、「米韓首脳、来月11日に会談実施へ」−−などの発言や報道が観測されていた。
<< 欧米市場の見通し >>
上値トライかと思いきや下方向に、逆に下値トライと予想するなか上値を試す−−などという天邪鬼の値動きが続いている。しかも、大局的にはレンジ内での変動で、明確な方向性はいまひとつだ。昨日のNYに110.80円台、本日の東京時間に110.90円台を記録していることからすると「レンジの上抜け」、111円台回復に期待を抱きたいところだが、先のような状況では油断も禁物だろう。結局、110円台を中心としたレンジ取引が、いましばらく続く可能性を否定できない。
材料的に見た場合、2日目を迎える米中通商協議が注視されている。トランプ氏からは、相変わらず「協議は順調」などといった楽観的な発言が聞かれるものの、ロイターが「決着は5月や6月にズレ込む可能性もある」、英紙FTも「米中貿易協議、再開後も険しい合意への道」などといった論調で報じていた。ともかく、来週の再協議に向けて少しでも進展があるのかどうかが注視されていることは間違いない。また、米国ファクター以外では欧州ファクターにも要注意。英国情勢のほか、週末地方選を控えたトルコ情勢なども波乱要因となりかねないかもしれない。
テクニカルに見た場合、先週21日以降のドル円相場は109.70-111.00円のレンジ取引。昨日欧米に続き、本日東京時間にも上抜けをトライする動きが観測されたが、越えられなかった。ドルは底堅いものの、上値も重そうとの認識に変化がなく、このあとも引き続き110円台を中心とした一進一退が続く可能性がある。
ただ、本日は週末・月末・期末ということで、最後の最後に思わぬ変動をたどるとの警戒感も根強く、前述レンジをしっかり放れればやや値の飛ぶ展開を予想する声も。
一方、材料的に見た場合、1月のPCEデフレーターや3月のシカゴ購買部協会景気指数といった米経済指標が発表されるほか、ウィリアムズNY連銀総裁やクオールズFRB副議長による講演が実施される見込みとなっている。
そのほか、「一部のみの採決」であるが、英下院のバーコウ議長が「EU離脱協定案をめぐる29日の投票実施要請を受け入れた」ことを明らかにしているだけに、その行方も気掛かりだ。
そんな本日欧米時間のドル円予想レンジは、110.10-111.10円。ドル高・円安方向は、本日東京高値である110.90-95円が最初の抵抗。超えた場合には、当然111円台に回復が期待され、111.15-25円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、現在110円台前半に位置する、一目均衡表の先行帯の雲の上限をめぐる攻防にまずは注視。ただ、割り込んでも25日安値の109.70円レベルはかなり強いサポートだ。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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