<< 東京市場の動き >>
19日の東京市場は、ドルが小安い。レンジそのものは広くなかったが、対円では111円割れをうかがう局面も観測されていた。
ドル/円は111.40円レベルで寄り付いたのち、111.45円レベルの日中高値を示現するも上値は重い。その後は、緩やかな右肩下がりの展開となり、一時111.15円レベルまで値を下げ、111円割れを視界内に捉えた動きをたどっていた。
しかし、下値トライも失敗に終わると、レンジ取引に。111.15-30円といった低位揉み合いとなるなか、16時時点では111.25-30円で推移、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「英国情勢」と「米中貿易問題」について。
前者は、引き続きEU離脱に関する発言やニュースが相次ぐ。たとえば、「英政府は今週離脱案の採決を予想せず」、「英下院議長、否決されたEU離脱案の再採決は不可能と発言」、英紙FT「英与党議員、離脱案支持の条件として首相に退任時期表明を要求」、英紙サン「英首相はEUに9-12ヵ月間の離脱延期を要請へ」−−などといった報道があったようだ。
対して後者は、CNBCがハセット米CEA委員長の発言として、「米中協議はもっとも難しい問題で進展」と報じる反面、米紙WSJは「対中通商協議、米半導体業界は中国の大量購入案を拒否」、また関連ニュースして「トランプ米大統領、GMに米工場の再開を要求」との報道も観測されていた。
<< 欧米市場の見通し >>
先週末にドルの上値トライ、112円台乗せが失敗に終わった感があるなか、今度は下値をうかがう展開となり、本日東京時間には111円割れを試す局面が観測されている。しかし、微妙なところだが下抜けのファーストトライは、失敗したように見えなくもない。ともかく、ますます足もとの111円台が居心地の良いレベルであるということが再確認された格好だ。引き続き、そんな111円台からの脱却の方向性とタイミングに注意を払いたい。
材料的に見た場合、いわゆる米国ファクターについては、米朝そして米中関係が注視されている。ただ、ともにいまスグ決着の付く問題ではないため、潜在的なリスク要因としてくすぶる存在か。そうしたなか、目先注視されているのは米FOMC。19-20日に実施され、20日には声明発表と、FRB議長の記者会見が見込まれている。FOMCで「改めて景気や物価に慎重な見通しが示される」ようだと、短期的にはドル売りが優勢となる可能性も否定できない。
テクニカルに見た場合、大きな意味ではレンジ内。実際、過去1週間程度のドル/円相場は、おおむね111円台での推移にとどまっており、方向性は喪失している。
ただ、ここ数日間、ドルの下値を支えてきた移動平均の200日線(111.40-45円)を再び割り込んできたことが若干気掛かりだ。それでも、同じ移動平均でいえば25日線(111.15-20円)に下値を支えられているものの、現在急上昇中のラインだけに、今後割り込むようだとドルの下向き基調が強まることになりかねないかもしれない。
一方、材料的に見た場合、1月の製造業受注指数や同耐久財受注など幾つかの米経済指標が発表される予定となっているほか、20日までの日程で米FOMCが開催される見込みだ。
そんな米国情勢もさることながら、欧州ファクターにも引き続き要注意。本日も、経済指標としては2月の英雇用統計、3月のユーロ圏ZEW景況感指数が発表されるうえ、プラートECB専務理事による「ユーロ関連の討論会参加」なども波乱要因として警戒しておきたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.90-111.70円。ドル高・円安方向は、本校執筆段階で下回っている200日線(111.40-45円)が最初の抵抗。超えれば先週高値である111.90円レベル、そして112円台回復がみえてくる。
対するドル安・円高方向は、移動平均の25日線(111.15-20円)をめぐる攻防にまずは注目。割り込んだ場合には、13日NY安値の111円レベル、8日安値の110.78円などがターゲットに。(了)
オーダー/ポジション状況
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