ドル円 もみあいも円高方向に注意(週報2月第2週)

先週のドル円は、週間レンジがわずか72銭。

ドル円 もみあいも円高方向に注意(週報2月第2週)

今週の週間見通し

先週のドル円は、週間レンジがわずか72銭。109円台半ばと110円台とにオーダーが入っていること、一連のイベントが経過し目立った材料も無かったことから横方向へのもみあい相場を一週間を通して続けることとなりました。

今週は、月曜は東京市場が休場となりますが中国市場は旧正月明け、政治的にも米中通商協議の次官級、閣僚級の協議が行われる予定となっています。また、米国では暫定予算での政府機関再開が14日までとなっていて、米中間の協議の行方に加えて再び連邦機関一部閉鎖の懸念もあって上値を抑えやすい地合いが続きます。

また先週は円相場はもみあいで動きが見られませんでしたが、株価は火曜までは1月高値圏を超えて推移していたものの、週後半に向けて大きく下げて1月中旬の水準へと押して、週の安値圏での引けとなりました。円相場が底堅い動きとなった最大の要因はユーロドルでのユーロ安・ドル高の動きがあったと思いますが、これも欧州における景気減速懸念によるもので、ドル円の材料とは切り離して考える必要があるかと思います。

今週も上下ともに大きくは動きにくい展開が続きそうですが、動くとしたらリスクオフによる円買いの動きに注意したいところです。

テクニカルにも目立った変化は出ていませんが、日足チャートをご覧ください。

最近の中心レンジは、2018年高値(114.55)と今年1月3日安値(このチャートでは104.90)との半値戻しが109.73を中心として(それぞれ赤の水平線)、ピンクの2本のラインで示した緩やかな上昇ウェッジの中での推移を続けています。

しかし、前述の通り今週も動くとすればリスクオフに注意が必要なイベントがありますし、期末まで1か月半ほどありますが、期末に向けてのフォワードポイント(直先のpips)が、現時点で40銭程度であることを考えると、110円台半ばにはそれなりにまとまったドル売りオーダーも入っていると考えられます。

今週も先週のレンジをなぞりながらも、やや下方向に余裕を見て109.10レベルをサポートに、110.10レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。

ドル円(日足)チャート

ドル円(日足)チャート

このチャートは、ローソク足の足型をそのままに陰陽の着色のみを平均足と同様とすることで、短期的な方向性(白=上昇、黒=下降)を見やすくした独自チャートとなっています。また、一目均衡表を併せて表示することで上下のチャートポイントもわかりやすく示しました。

今週の予定(時刻表示のあるものは日本時間)

今週注目される経済指標と予定をあげてあります。影響が少ないものはあえて省いています。FRB地区連銀総裁講演の内、2019年FOMCメンバー(ニューヨーク、シカゴ、ボストン、セントルイス、カンザスシティ)ではない地区連銀総裁はカッコ付で示しました。また、わかりやすさ優先であえて正式呼称で表記していない場合もあります。

2月11日(月)
**:** 東京市場休場
**:** 米中次官級通商協議
17:00 デギンドスECB副総裁講演
18:30 英国10〜12月期GDP速報値
18:30 英国12月貿易収支、鉱工業生産

2月12日(火)
09:30 豪州1月NAB企業景況感

2月13日(水)
08:30 豪州2月WBC消費者信頼感
08:30 (クリーブランド連銀総裁講演)
09:30 カンザスシティ連銀総裁講演
10:00 NZ中銀政策金利発表
11:00 NZ中銀総裁会見

18:30 英国1月CPI、PPI
19:00 ユーロ圏12月鉱工業生産
20:00 南ア12月小売売上高
22;30 米国1月CPI
22:50 (アトランタ連銀総裁講演)
24:30 週間原油在庫統計

2月14日(木)
08:50 本邦10〜12月期GDP速報値
**:** 米中閣僚級通商協議(〜15日)
16:00 ドイツ10〜12月期GDP速報値
16:00 トルコ12月鉱工業生産
19:00 ユーロ圏10〜12月期GDP速報値
22:30 米国新規失業保険申請件数
22:30 米国1月PPI、小売売上高
24:00 米国11月企業在庫
**:** 米国暫定予算期限

2月15日(金)
08:50 本邦12月国際収支(貿易収支)
10:30 中国1月CPI、PPI
16:00 トルコ11月失業率
18:30 英国1月小売売上高
19:00 ユーロ圏12月貿易収支
22:30 米国2月NY連銀製造業景況指数
22:30 米国1月輸入物価指数
23:15 米国1月鉱工業生産、設備稼働率
23:55 (アトランタ連銀総裁講演)
24:00 米国2月ミシガン大消費者信頼感速報値

前週の主要レート(週間レンジ)

前週の主要レート(週間レンジ)

先週の概況

2月4日(月)
 ドル円は金曜雇用統計後のドル高の流れを継続し、東京後場には実需のドル買いにストップオーダーがあぶり出されての一段高、その後NY市場では110.00にあると言われたオプションのオーダーをつけにいく形で一時110.16レベルと年初来高値を更新しました。110円の大台を見たことでその後のNY市場ではもみあいを続けての引けとなりました。

2月5日(火)
 ドル円は底堅い展開が続いているものの110円台では売りも出ていて、まったく動けずの状態が終日続きました。値幅もわずか27銭と109.90を挟んでの小動きのままでした。

2月6日(水)
 ドル円は豪中銀総裁の発言がタカ派的では無かったことを嫌気した豪ドル円の売りがリードして前場は売りが先行、その後も弱い株価に上値を抑えられてじり安の流れが続きました。欧州市場序盤には109.57レベルの安値をつけ、その後も株価が持ち直したことや欧州通貨でのドル買いの動きから反転、NY引け間際には110円台を回復し、朝方の水準へと戻す一日となりました。

2月7日(木)
 ドル円は株式市場の動きに沿った一日となりました。東京前場の株式市場の下げで110円台から109.73レベルまで下げたものの、株価が下げ止まる動きとともに110円台を回復。しかし海外市場に移ってから夜間取引で先物主導の株安となる動きを見て109.61レベルまで水準を切り下げました。その後は動きが乏しくなり109円台後半で小動きのまま引けました。

2月8日(金)
 ドル円は終日まったく動意無しとなりました。週明け月曜が東京市場休場となることや、引き続き110円超えと109円台半ばとのオーダーに挟まれ109円台後半の25銭レンジに留まりました。

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