ドル上値は依然重そう、110円の攻防注視(2/7夕)

7日の東京市場は、「行って来い」。一時109.70円台まで小幅に下押すもトライに失敗、そののちは寄り付きレベルまで値を戻している。

ドル上値は依然重そう、110円の攻防注視(2/7夕)

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7日の東京市場は、「行って来い」。一時109.70円台まで小幅に下押すもトライに失敗、そののちは寄り付きレベルまで値を戻している。

ドル/円は、109.95円前後で寄り付いたのち、しばらくは揉み合い。109.90-05円程度の凪相場をたどるなか、仲値にかけて小幅に下落し109.70円台まで下げ幅を拡大させた。しかし、109.70-75円の日中安値を示現後は、逆に買い戻しが優勢となり、ドルはじり高推移。再び109.90-05円のレンジに逆戻りすると、16時時点では109.90-95円で推移、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「複合的な米国ファクター」と「英国情勢」について。
前者は、対中や対朝問題について、CNBCは「米財務長官が来週訪中、貿易閣僚協議実施と発言」、FOX「米国務長官、北朝鮮の非核化実現に意欲示す」と報じたほか、米下院委員長から「ロシア共謀疑惑などトランプ氏疑惑の包括調査を行う」との発言、FRB議長や同副議長による米金利や経済に関するコメントも別途観測されていた。
対して後者は、S&Pが「合意なきEU離脱なら英格下げの恐れも」と発表するなか、EU大統領「英のブレグジットはもはや回避不能」、「アイルランド首相と欧州委員長、EU離脱再交渉拒否を確認」、英紙テレグラフ「メイ首相がEU離脱案の2回目採決延期を準備、2月末まで」−−などといった発言や報道が取り沙汰されている。

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ドルは、昨日欧米時間に値を下げるも109円半ばまで。本日東京も同様で、下値は109.70円台までだった。かなりビッドが切り上がっているイメージで底堅そう。ただ、上値の重い状況にも変わりなく、やはり110円をクリアに超えていくことが出来ない。リスクということではドル高方向にバイアスを掛けつつも、頭の重い展開がいましばらく続く可能性を否定出来ない。
材料的にも、「FOMC」をはじめ注目要因が集中した先週を終え、「米中首脳会談」や「米朝首脳会談」などの実施が見込まれている月末に向けた、足もとは端境期にあたる。予断は許さないが、それほど喫緊の要因は見当たらない状況だ。基本的には米金利や株価の動きに一喜一憂しつつ、レンジ取引をたどる展開が見込まれている。次の動意に向けたエネルギー充電期間であるのかもしれない。

テクニカルに見た場合、過去のレンジをやや拡大させた新レンジ108.50-110.20円での一進一退をたどっている。さらに言えば、目先のドル下値はもっと切り上がっている感。事実、今週に入り一度も109円を割り込んではいない。ドル高方向にバイアスがかかるなか、110円をクリアに超えていくことが出来るのか、攻防が注視されているようだ。
なお、ドルはかなり底堅いイメージだが、今週のドル安値圏である109.40-50円を下回ると、前述したレンジ下限の108円半ば程度まで続落しても不思議はない。

一方、材料的に見た場合、12月の消費者信用残高など幾つかの米経済指標が発表されるものの、正直注目度はそれほど高くない。よほどの数字にならない限り、影響は限定的か。そうしたなか、米財務省による30年債入札や、欧米企業の決算発表が続くだけに、それらの内容には一応の注意を払いたい。
また、「EU離脱」にともなう政局が注目を集める英国において、英中銀が金融政策の発表などを行う予定だ。ポンドの波乱要因として警戒する声も聞かれていた。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、109.50-110.40円。ドル高・円安方向は、今週のドル高値である110.16円が最初の抵抗。超えれば、フィボナッチを参考にしたテクニカルポイントの110.35円、110.55円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値109.70-75円の攻防にまずは注視。ただ、下回っても昨日安値109.56円をはじめサポートは多い。短期的には108円台も少し遠い存在になってきた感がある。(了)

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