ドル円揉み合い続く公算、英国情勢への関心高(1/29夕)

29日の東京市場は、小動き。新規材料が乏しかったこともあり、109円前半で方向性の乏しい小幅な上下動に終始している。

ドル円揉み合い続く公算、英国情勢への関心高(1/29夕)

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29日の東京市場は、小動き。新規材料が乏しかったこともあり、109円前半で方向性の乏しい小幅な上下動に終始している。

ドル円は、109.30-35円で寄り付いたものの、終日を通して動意は限られた。実際、値幅は109.10-35円といった20ポイント強にとどまっている。日経平均株価が一時200円を超える下落となったものの、クローズベースでは小幅続伸の15円高と急回復を示したことで、為替市場への影響は限定的だった。16時時点では、ドル円は109.25-30円で推移、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「米政府機関閉鎖問題」と「英国情勢」について。
前者について、トランプ米大統領が「わたしが壁を建設しないと思っている者などいるのか」と怪気炎をあげるも、一方で1ヵ月強に及んだ閉鎖の影響が改めて取り沙汰されていた。一例を挙げると、「米議会予算局、政府機関閉鎖でGDPが110億ドル減少と試算」、「米商務省、30日に予定されていたGDPなどの発表を延期」−−などになる。なお、一時は取りやめも指摘されていたトランプ氏の一般教書演説は、ペロシ下院議長とのあいだで「2月5日に実施で合意」したという。
対して後者は、スカイニュースが「英議会、2月13日にEU離脱協定案を採決か」と報じたことに続き、ブルームバーグが「英首相が方針転換、妥協案模索へ」と報じ、物議を醸している。ただ、後者に関すれば内容的にはタイトルほど刺激的ではなく、新鮮味も乏しく、鎮静化もはやかった。

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109円台でのレンジ取引は、気が付いたら2週間近くに達している。そうしたなか、本日東京時間には109.10-15円まで値を下げ、レンジの下限割れをうかがうも、とどかなかった。短期的にはいま少し109円台での一進一退、次の方向性を探る値動きが続く可能性もありそうだ。ただし、材料的に明日以降は週末にかけて、注目要因が目白押しの状況となるため、一部ではそろそろ荒っぽい変動をたどる危険性も取り沙汰されはじめていたようだ。


長いあいだドルの足かせとなっていた「米政府機関閉鎖」そのものは取り敢えず解消されたが、先でも取り上げたように改めて悪影響などが指摘されている。また、一時解除を受けて、これまで先送りされていた経済指標やデータが改めて発表されることも気掛かりだ。波乱要因として注意を払いたい。そうしたなか、明日以降「米中閣僚級による通商協議」の行方や、「米FOMCの結果公表」などが相次ぐものの、本日は「英議会、EU離脱修正案などを審議」する見込みで、再び英国情勢が注視されている。

テクニカルに見た場合、早くも109円台での一進一退は2週間近くに達しており、短期的には方向性を喪失している。ちなみに、109-110円のレンジを抜けた場合、上方向ならフィボナッチの観点で見た110.35円レベルがターゲットとなる反面、下方向にブレークすれば108円半ばが意識されそうだ。ただ、2週間近い揉み合いで、エネルギーは予想よりも蓄積されているとの指摘もあり、しっかり抜ければ、それらレベルでは止まらないとの声も聞かれていた。

一方、材料的に見た場合、11月のS&Pケースシラー住宅価格指数や1月の消費者信頼感指数といった米経済指標が発表されるほか、前日に続き米財務省から7年債の入札が実施される見込みだ。また、明日30日まで実施される米FOMCの行方にも一応注意を払いたい。

そのほか本日は、米国以外で英国情勢も要注意。思えば今月15日、「EU離脱案を英議会が反対多数で否決」し、それがポンドの乱高下を招いたという“前科”がある。動静如何で、今回も同様の値動きをたどる可能性もあるだろう。

そんな本日欧米時間のドル円予想レンジは、108.80-109.80円。ドル高・円安方向は、昨日高値である109.60円レベルが最初の抵抗。抜ければ110円、110.35円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京でもトライしたが割り込めなかった109.10-15円をめぐる攻防を注視したい。割り込んだ場合には108円台突入が予想されるが、108円半ばをはじめ下方向にサポートは多く底堅いイメージだ。

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