<< 東京市場の動き >>
24日の東京市場は、ドルが小高い。値動きそのものは30ポイントに満たない小幅なものにとどまったが、夕方にかけて高値をトライする展開をたどっている。
ドル円は、109.60円レベルで寄り付いたものの、しばらくは揉み合い。109.45-60円といったレンジ内での一進一退を続けたが、夕方に上抜けると小幅に続伸し、日中高値である109.70-75円まで値を上げてきた。日中株価などが冴えないながら、それでも底堅く推移したことが好感されていたという。16時時点では、ドルの高値圏である109.70-75円を維持し、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「米政府機関閉鎖問題」と「英国情勢」について。
前者は、一昨日に「議会上院、与野党それぞれの予算案を24日に採決する方針を決定」−−との報道が観測され、事態好転への期待感が高まったものの、米下院はペロシ議長がトランプ氏に対し、「政府が再開しないかぎり、下院議会で演説を行うための決議を行う考えはない」と日程の再延期を改めて提案したという。それを受け、今度はトランプ氏が「一般教書演説が今年は行われないと表明」したうえで、「ペロシ下院議長が演説を中止させた」などと述べ、非難したと報じられていた。
対して後者は、29日に予定されている「英議会の離脱代替案を審議・採決」に向け、再びアピール合戦や、要人などによるけん制発言が飛び交う状態となっている。そんななか、メイ英首相は「EU離脱延期は問題解決にならない」と指摘、予定通り離脱すべきだという強気の姿勢を維持している。
<< 欧米市場の見通し >>
昨日の欧米時間に109.89円の前回高値を上抜け、年初来高値を再び更新した。心理抵抗である110円は超えられなかったものの、リスクという点では上方向にバイアスがかかりそう。上抜けた場合は、昨年11月高値114.23円を起点とした下げ幅のフィボナッチ61.8%戻しに当たる110.35円レベルが次のターゲットとなりそうだ。
しかしながら、材料的にはやや気になる動きもある。
そのひとつは、長期化する「米政府機関の閉鎖」で、前述したように予定されていた一般教書演説をめぐり「トランプ氏vs米野党民主党」の場外戦が勃発、結局トランプ氏が「今年は演説を行わない」とヘソを曲げた格好で一応終結している。本24日は「米上院におけるつなぎ予算案採決」が予定されているものの、事態が目に見えて好転するか否かは甚だ疑問だ。米中貿易協議や米朝融和などを含めて、やや楽観論に傾き過ぎているところには注意を払いたい。
テクニカルに見た場合、基本的なリスクは引き続きドル高方向にバイアスがかかりそうで、昨日超えられなかった110円レベルをめぐる攻防に注視したい。上抜けた場合は110.35円レベル、あるいは移動平均の200日線が位置する111.20円レベルなども視界内に捉えられそうだ。
ただし、しっかりとは超えられず、再び上値をキャップされてしまうと、しばらくは108-110円といったレンジ取引の様相を呈する可能性も。
一方、材料的に見た場合、1月製造業PMIや同総合PMIなど幾つかの米経済指標が発表されるほか、欧米企業の決算発表も少なくない。それら要因には一応要注意。
また、先で取り上げた「米上院におけるつなぎ予算案採決」といった米国ファクターも気掛かりだが、トータル的にはむしろ欧州要因に注目したい。そのひとつは、「ECBの金融政策発表」と「ドラギECB総裁、記者会見」だが、「独首相とEU首席交渉官による、英ブレグジット問題協議」の行方も気になるところだ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、109.20-110.20円。ドル高・円安方向は、昨日超えられなかった110円レベルが最初の抵抗。抜ければ110.35円がターゲットだが、ストップロスが蓄積されつつあり、さらに値が飛ぶ危険性も一部で取り沙汰されていた。
対するドル安・円高方向は、昨日NY安値である109.40円レベルがごく目先のサポート。ただ、割り込んでも直近安値109.14円をはじめ、下方向にサポートは多く依然として底堅いイメージだ。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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